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ジムニー車中泊・ひとり旅
VOL.017
男の車中泊ひとり旅 VOL.17
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ジムニー車中泊ひとり旅 Vol.17 「天空の林道編」
Traveling alone with jimny.



四駆ユーザーなら一度は走っておくべき林道が四国の中央部西側にある。周囲の山々を見下ろしながら笹の群生地を貫いて空へと伸びる林道の聖地「天空の林道」を行く。

Photo & Text : 山岡和正

尾根を縫い、大空へ続くフラットダート

「天空の林道」の存在を知ったのはここ最近の話になる。よく走りに行っていた四国カルストを取り巻く林道群のすぐ側にこんな魅力的な場所があるとは全く知らなかった。友人からこの林道の話を聞いてすぐにマップを開き確認してみると、その地形や類まれな「道」としての存在感の大きさに驚き、いつか必ず走りに行くと心に決めていたのだ。

朝8時過ぎ、念願叶って「天空の林道」のある明神山の麓を流れる仁淀川を遡上するように走っていた。
仁淀川は仁淀ブルーと称されるように、四万十川と並び水の透明度では群を抜く美しい川である。右手に流れる川を見下ろすように走り、久喜の沈下橋を過ぎるあたりで中津渓谷へ入ると、川はさらに透明度を増した。仁淀川の支流である中津川に沿って岩盤を削った断崖の細い道を明神山へと向かってぐんぐん高度を上げて行く。パラグライダーの咲く吾川スカイパークを超えると、その先には車体の大きな車では走りたくない、暗い杉林の細いワインディングがずっと続いていた。

つづら折りの細い道は続き、永遠と思えるほど長く走っているように感じる。目的地は森林限界線の上にあるのでとにかく杉林を抜け出したいのだが、まったくその気配はない。どのくらい走ったのか杉もまばらになり、ようやく木々の隙間から下界が見えるようになってきた。そしてついに道は稜線と重なり、空へと向かうジムニーの前方には明神山の頂上がそびえている。高揚する気持ちを抑えているつもりだが、自分の意思に反してアクセルペダルを若干踏み込んでしまい思わず苦笑した。稜線へは出たものの道はまだ上りの舗装路が続いている。そのまま明神山の頂上付近をトラバースして行くとすぐに分岐点が現れた。左の舗装路は明神山のレーダー雨量観測所へ、そして右側へ下ればいよいよ「天空の林道」の始まりである。

林道の全貌をつかみたかったので、まずは明神山の山頂へ上り林道を見下ろした。稜線を蛇行しながら延びていく様相は、まるで巨大な生き物の背を走っているようにも見える。明神山は標高1540mほどしかないが、周囲の山々に比べるとひときわ高く遮るものが無いため、空はどこまでも広大だった。
林道走行はとにかく爽快そのもの。左右に麓の集落を見下ろし、遠くまで見渡せる山々を目の端に留めながら風を切って走るドライブは最高に気持ちが良い。若干危険なポイントはあるが注意して進めば大した脅威ではない。しばらく行くと稜線から外れて普通の林道となり最終的には行き止まった。
Uターンして稜線まで戻ると空は雲で覆われていて、正面にあるはずの明神山は霧に隠れている。霧は少しずつこちらへと忍び寄りながら周囲を包んでいく。そしてジムニーも霧の中へとゆっくり吸い込まれていったのだった。

基本走り易いが、気を抜けない道

メインの道は見通しも良く軽快に走れるが、時折現れる亀裂のような深めの溝には要注意だ。景色に気を取られて注意散漫に走っていると脱輪などケアレスミスを起こしかねない。前方の道路状況をよく見て注意深く走るのが正解だ。

稜線の先には、広葉樹の森が

稜線を離れて進むと、見通しは良くないが新緑や紅葉の時期などタイミングを選べば気持ち良いであろう広葉樹の茂る林道がある。走った当日は細かな落ち葉の絨毯が敷かれていた。

林道を取り巻く高山植物たち

林道は全体的に笹で覆われているが、目を凝らすとそこここに高山植物が生息している。普段目にしない種類もあり、数も豊富で美しい。

廃校を利用した宿泊施設

この集落の住民で運営されている元小学校の宿泊施設で、提供される料理もどこか懐かしさがあり美味しい。川を挟んで同じ運営のキャンプ場とクラフトビール醸造所がある。

中津渓谷の夜は早い

車内で過ごす時間は冒険心をくすぐる至福の時。今宵のキャンプ地は深い渓谷の中にあるためすぐに暗くなり外は冷え冷えとしていたが、車内は3シーズンの寝袋でも十分暖かく過ごせた。

ライタープロフィール
山岡 和正

雑誌、WEB、カタログなど中心に、対象物を選ばず多方面で活躍するフォトグラファー。
特に車やアウトドア、旅などには定評がある。

ウェブサイト:http://kaz-yamaoka.com/
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