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ジムニーで行く林道旅
VOL.032
~長野県・女沢林道他~ 前編
~長野県・女沢林道他~ 前編

都心部では桜も散り終え、春本番を迎えているのだが、山間部はまだまだ冬の状態。
冬季閉鎖されている林道は、4月末からゴールデンウィークにかけて開通されるルートがほとんどだ。
当初は安全策として静岡方面を検討したが、Yカメの「気になる宿がある!」の言葉に釣られて信州に向かうことに。
もし通行止めだったら...そうなりゃそうなったで何とかなるさ!

あえて雪のある林道を選ぶ?

宝剣岳・千畳敷カールを背に、南アルプスを正面に望む温泉宿。多くのリピーターを抱え、平日でも満員は当たり前。http://www.futarishizuka.com/

この林道旅は『都内から1泊2日で行けること』を基本としている。林道は山の中にあり、完全に雪が溶けるのは5、6月から11月の間だけ。だからほぼ半年間は雪が付きまとうこととなる。

しかし、春真っ盛りの時期に雪景色は如何なものか? 伊豆は数ヶ月前に行ったし、千葉は先月訪れたばかり…。となると、残されているのは静岡方面か! まぁまだ紹介していない林道はたくさん残っているから、今回は静岡だな〜。と考えていたところ…
Yカメ:今回行きたい所ある?
筆者:雪を避けるとなると静岡だな。宿が近くにないから走っていない林道がまだ残っているからね〜。林道と宿の組み合わせを考えなきゃだな。
Yカメ:静岡じゃないけど、ちょっと気になる宿があるんだよね〜。
筆者:どこ?
Yカメ:駒ヶ根にある温泉宿。
筆者:なんて宿?
Yカメ:二人静(ふたりしずか)
筆者:あ〜、以前に調べた覚えがある。確かにオレも気になった宿だ。
Yカメ:確かあの時は違う林道に行ったんだよな。
筆者:問題は林道だ! 雪があるだろ?
Yカメ:宿の近場は無理かもしれないけど、距離的に無理ではない所に林道が数本あるから何とかなる!

ということで、今回は(も?)「走れなかったら、現地で対策を考えよう!」という行き当たりばったりの旅に決定。

我々に学習能力などない

2013年12月に来た時は運良く(?)、降雪となりスノードライブが楽しめた。今回は雪なしが良いのだが…。

行き当たりばったりとは言え、もちろん全くの無策で行くワケではない。往路と宿泊先からアプローチできる林道として、約12kmのダートが続く『陣馬形林道』、『美和湖』の西にある『女沢林道』、その北東にある『黒河内林道』と『町道高嶺線』をピックアップ。天候や時間を考慮しながら全部アタックするつもりだ。ちなみに天気予報だと、1日目の降水確率は80%、2日目は午前中が10%で午後から0%。我々は驚異の晴れ男なので、当日現地近くで最終決断をすることにした。

中央道を西に向かうが、天気が悪くなる気配はない。そこで1日目に可能な限り林道を走ることに決めた。最初に目指すは『町道高嶺線』。通り抜けられたら、そのまま合流する国道152号線で南下して『女沢林道』にチャレンジする。通り抜け不可能でも152号線に戻って、『女沢林道』を攻める。そして『女沢林道』を走り終えたら県道49号線で宿に向かいつつ、時間に余裕があれば『陣馬形林道』を走ることにした。全部走破できたらかなりの距離である。

林道を進むほどに残雪が多くなってきた。まぁAPIOのサスキットを組んでいるから、この程度は余裕で行ける。

ちなみに『町道高嶺線』を目指すのは今回で3回目となるのだが、過去2回はともに途中にある地図に載っていない林道をアタック。雪が深かったり、予想以上に楽しくて時間オーバーになったりで、まだ足を踏み入れたことはない。3度目の正直となるのか? またしても途中にある林道で楽しみすぎて時間切れとなってしまうのか?
筆者:今回は素直に『町道高嶺線』を目指そうぜ! あっ、ここは以前に走った林道の入り口だな。様子でも探る?
Yカメ:おいおい、今回はイイよ。
筆者:だよね〜。あっ、ここにも入り口があるぞ!
Yカメ:こっち側だと国道に近いからすぐに終わるだろうな。
筆者:だよね〜。あっ、ここにも入り口があるぞ! 道幅も広いからそこそこ長いんじゃね?
Yカメ:確かに匂うな! 取りあえず少し様子見で走るか!

『町道高嶺線』の本線走破を決意したばかりなのに、我々二人は学習能力など持っていない。でも楽しいから、それでイイのだ。

積雪による行き止まりは想定内

何度かチャレンジすれば行けなくもないが、その先の残雪はもっと深いに違いない。潔く撤退することに…。

ここに来るまでの途中、一般道でも高度を稼ぐごとに北側斜面の残雪が深くなっていたため、「林道は通り抜けできないだろうな…」とある程度の覚悟していた。今回はスコップやチェーンを積んでいないので、雪が深かったらすぐに退散するつもりだ。そして、思いの外早くその時がやってきた。

林道のアプローチ地点では道路脇にしか無かった残雪が、進むほどにジワジワと道路まで侵略してきて、ついには数mの長さにまで伸びてきたのだ。念のためにクルマから下りて確認すると、最も深い所で約30cm。そこは勢いで軽々と乗り越えたが、さらに進むと50cm以上の深さとなっていた。さすがにこれは無理かも…。
Yカメ:右側を走れば越えられるんじゃない?
筆者:何度か攻めたらイケるだろうな。でもこの先はもっと深くなっているハズ。無理に越える必要はないよ。
Yカメ:確かにそうだな。走れないのは想定内だし、他の林道に行くか!

潔く引き返して『町道高嶺線』を目指した。

『町道高嶺線』は約17kmのダートが続く、とても走り甲斐のある林道。しかしながら、あいにく通行止めとなっていた…。さて、どうしよう? すると地図と睨めっこしていたYカメが「少し北側にある『板室林道』でも走るか?」。約2kmのダートが残っている林道だ。「とりあえず行ってみるか!」とハンドルを切ったら、「あっ! ちょっと待った〜。南西に4kmちょいの林道がある。こっちの方が距離はあるし、南だから残雪も少ないんじゃない? 」とYカメ。「らじゃ!」。断る理由などなく、ふたつ返事で進路を変えた。どうか走れますように!

30センチ程度なら勢いで走破可能。もしスタックしても、大人ふたりなら何とかなるのがジムニーの強みだ。