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ON THE STREET BURGER
VOL.036
いつも陽なたの食堂で~SUNNY DINER [東京・北千住]
いつも陽なたの食堂で~SUNNY DINER [東京・北千住]

その裏通りの小さな食堂は、山盛りの笑顔にポテト、
そして陽だまりのようなぬくもりにいつもあふれていた......。

緊急出動、APIOジムニーコンプリートカーTS7「ハンバーガー号」!


向かうは東武鉄道堀切駅前の公衆電話。30分前ここから通報があった。内容はこうだ――「空飛ぶハンバーガーを見た」。

桁下1.7メートル

久しぶりの通報だ。皆さん信じないだろうが本当に出るのだ、Flying Burgers......いや、バーガーを"揚げる"んでなく。


年始に西新宿の割烹料理屋座敷でおこなわれたAPIOジムニーライフ年次総会においても「埼玉某所は出る」ので「警戒せよ」との訓示が河野社長からあったばかりだった。案の定また現れたのだ。奴ら空飛ぶバーガーが。


だが行ってはみたものの、現地は平和そのもの。ハンバーガーはおろか雲ひとつ空に浮かんでいない。そもそも30分後に駆け付けたのでは遅過ぎる。もはや通報者すら待ってはいない。


仕方ない。近所にお住まいの宇宙工学の権威「千住(せんじゅ)のニュートン」博士にお会いして、久しぶりにご意見賜ろうとジムニーを走らせたが、あいにく博士は留守。しかもずいぶん長いこと空けているらしい。愛車のミラージュは動きそうにない


「とりあえず見晴らしいいトコ行ってみようよ」とオンザロードGAO隊長から提案あり、河川敷に向かおうとしたところ……「ん? あれは?!」。


前回「最大幅2.2m」の狭路を通過したが、今度は高さ制限。行く手を阻む「桁下高さ1.7メートル」の表示。ハンバーガー号は車高1750ミリメートル。その高い車高を瞬時に低くする機能など備わっていないワケなのだが……イケた……通れたのである! それは「キセキ」でも「気合い」でもなく、「愛」ゆえに……んなバカな。


ほどなく荒川河川敷。教え子たちに囲まれる坂本金八先生の御姿を探したが、そうだ、2011年に定年退職なさったのだった。進路指導受けられず……日本中があなたの生徒でした

と、そこへついに出現! ……やった! 来た甲斐あった! だがそれは空飛ぶハンバーガーではなく、なんと奴ら「ダンプカー」に姿を変えて我々に迫って来たのである。しかも路面にジャラジャラと鎖を引き摺っている……何と古めかしい演出を。一体いつの時代のダンプを参考にしたのか。


皆さん想像されるような秘密兵器をハンバーガー号は一切積んでいない。三十六計逃げるに如かず。だが法定速度内では限界がある。もう追い着かれる……チーズビームの餌食になる……来月からハンバーガー号が赤から黄色に変わる……と思った刹那、GAO隊長、とんでもない細路地へ逃げ込んだ。これではダンプは通れまい……。


逃げ込んではみたものの、いやいやこの細路地、ジムニーだって通れるかどうか。「コレ行けます?」「ココ曲がれます?」「さすがにココはムリでしょ!」の連続だ。だがトークとハンドルの切り返しには定評あるGAO隊長。粘り強いハンドルさばきの末ようやく抜け出たところが……奇しくも「SUNNY DINER DRIVE-IN」の真横だった。

あふれるポテト愛

北千住(きたせんじゅ)が誇るハンバーガーショップ「SUNNY DINER(サニーダイナー)」は2005年11月3日創業。2009年に北千住ルミネに2号店、2013年にデリバリー拠点「DRIVE-IN」をオープンさせ、目下3店を展開中。

若き店主・関根さんは旅人である。世界40ヵ国を歴訪。旅費が尽きては日本に帰り、バイト代を貯めてはまた渡航する――そんな旅の空、出合ったのが「ポテト屋」だった。


欧米はもちろんアジア諸国の街角でもよく見るフライドポテト専門のファストフード店。各地でポテト屋に触れるうち、生来ポテト好きだった関根さんの「ポテト魂」に火が点く。


飲食のバイト経験豊富な関根さん。最後に勤めた店ではガンガン売上げを伸ばす活躍を見せて独立の自信を深めたが、されど資金は無し……事業・開業の知識は図書館通いで養うなど、節約の日々。

そして開業。本店の場所はかつての日光街道「宿場町通り」の一本裏。千寿本町小学校向かい。千住の裏通りで「裏千」を自称している。サニーダイナーが出来て以来、ただの通学路だったこの裏通りに美容室や飲食店の開店が相次いだ。


7坪弱の狭い店である。全13席。なにしろ面積が限られているので工事の際にはモノの配置を「1mm単位で考えた」。店の大きさに合わせて椅子机を造らねばならず費用が嵩んだ。「同じ目線の高さでお客さんと話がしたかった」のでキッチンと同じ高さになるよう、カウンターがガコンと一段不自然に上がっている。この段差のおかげで店と客との"ハートの段差"は一気にフリーに。

バーガーメニュー全23品(うち鶏魚7品)。バーガーを注文すると漏れなく細身のポテトがどっさり山盛り。その凄まじい量はバーガー1個食べ終えた後さらに「もう1回戦」ある感覚。関根さん、そのあふれる「ポテト愛」から、開店当初は鷲掴みの目分量でフライヤーに投げ入れていたそう。

ザク切りオニオン

中からサニーダイナーを代表する"最もサニーらしいバーガー"「ベーコンエッグチーズバーガー」1,380円を。


パティは良質な国産牛100%・113g。その上に粗みじんに切ったザクザクの生オニオン。国産らしい繊細な甘味の肉の上に無神経なまでに覆い被さるザク切りオニオンという、この敢えて「粗雑」なコントラストがサニーダイナーの最たる特徴である。さらに地元北千住のパン店「ふらんすや」特製バンズは羽のようにふんわり軽くやわらか。材料一々のキャラの立ち方が半端ない。

エッグはサニーサイドアップ。片面だけ焼いたつまり目玉焼き。流れ出す卵の黄身。ベーコンは長い一枚を真ん中で二つ折り。キリッと刺すように強い塩気。チーズはチェダー二枚。高さのない平たいバーガーだからこそ活きる、ベーコン・エッグ・チーズ、三者三様の個性。


バンズとパティの丸い旨味に生オニオンの辛味・苦味がザクザクと突き刺さる"半壊的"おいしさ。アンバランスの秀作。コーラ頼めばカップ容量1リットル! そのキップのよさ!


§§


その狭さゆえに生まれたやさしい気遣いと明るく陽気なサービスで今や不動の人気店。食べ終わればいつも決まって満腹だ。「あ"ぁ~お腹いっぱい! ごちそうさまでした~」と店の横の道を抜けて帰ろうとしたところへ……本日二度目の「ん? あれは?!」。


これを世に「トマソン」という……「隊長! 今度こそ進めません!!」。そこへ緊急連絡……今度は本部、河野司令から。

 「ハンバーガー号、静岡へ急行せよ!」

いや、行く手に電柱でござる……(つづく

< 文と写真:松原好秀 写真:GAO NISHIKAWA >

SUNNY DINER [東京・北千住]

●本店
所在地: 東京都足立区千住3-45
アクセス: 首都高1号上野線・入谷出口より8分
駐車場: 近隣にコインP複数あり
URL: http://www.sunnydiner.com/
TEL: 03-3881-3212
オープン: 2005年11月3日
営業時間: 11:30~24:00(23:00LO)
定休日: 無休(要確認)

「千住のニュートン」邸前にて、博士のミラージュと
桁下高さ1.7メートルのガード。東武鉄道・牛田駅手前
その高い車高を瞬時に低くする機能など備わっていないのだが……イケた!
宿場町通りの一本裏通りにあるサニーダイナー本店
キッチンの高さに合わせ、カウンターはガコンと一段上がっている
向かいは千寿本町小学校。登下校の子供たち、送り迎えの保護者の姿を見ながら調理
道路中央に電信柱。これが世に言う「トマソン」
サニーダイナー3号店、デリバリーの拠点である「DRIVE-IN」
デリバリーバイク5台を配備。うち2台は100cc。城東エリア一円をカバーする
ルミネ北千住8階の2号店。本店とは異なるメニューが食べられる