• 前の記事
  • 次の記事
16.04.01

【Vol.36】 ジャッカル、復活の日~California Diner JACKAL [静岡・東静岡]

ハンバーガー号、静岡へ!
静岡を代表するアメリカンダイナーがこのほど復活。
人は皆、彼のことを「ジャッカル」と呼ぶ......

清水港と富士山をバックに、日本平にて

緊急出動、APIOジムニーコンプリートカーTS7「ハンバーガー号」!


前回、東京足立区北千住にて、行く手を電柱に阻まれ進めなくなっていた時、

 「ハンバーガー号、静岡へ急行せよ! あのジャッカルがついに息を吹き返した!!」

と本部・河野(こうの)司令より急報があった。私とオンザロードGAO隊長、まるで幽霊でも見たような顔をお互い向け合ってひと言、

 「あのジャッカルが……」

日本平へ

今度の遠征はハンバーガー号と河野司令の乗る指揮車・ルミノックス号の2台

空飛ぶバーガーの次はジャッカルの復活……戦士に休息はない。


約束の東名足柄SAへ行くと、河野司令が乗るジムニーシエラコンプリートカー「ルミノックス号」が既に待っていた。今回の静岡遠征はこの2台による編隊、指揮車はルミノックス号である。

 「ついにあのジャッカルが復活したぞ。今年1月から活動を再開した。いま静岡市内は只ならぬ空気に包まれているらしい」と司令。
 「虎視眈々、この機を窺っていたんですね」と私。
 「しぶといヤツめ……」とGAO隊長。

これは見過ごしにはできない。ここで我々が行かねば静岡市民70万の命が、いや、日本のハンバーガーの行く末がどうなってしまうかわからない……。


「まず高地を押さえよ」との司令の一声。東名高速を清水ICで降りて、清水港=海抜0メートルから清水日本平パークウェイを海抜298メートル、日本平(にほんだいら)まで一気に上る。ドラマ版『華麗なる一族』のロケ地になった日本平ホテル近くに視界良好なる地を発見、清水港越しに富士山を望んだ……まさに絶景だ。

 「あの、司令……ジャッカルが再始動したのは清水の側でなく、反対の静岡市の方面であります……」
 「ナニ? それを先に言え。降りるぞ」

疾きこと風の如し。今度は日本平パークウェイ、右に左にくねる急な山道を一気に降って、静岡側の平地、草薙(くさなぎ)の辺りへ。降り切って程なく目標の「California Diner JACKAL(カリフォルニアダイナー ジャッカル)」を発見した。

コードネームはジャッカル

 「お~! 生きていたか、ジャッカル!」
 「よくぞご無事で!」
 「ついに復活したな……しぶといヤツめ!」

と各人各様の言葉で再会と"再開"を祝した我ら3人、ともう1人。


彼の名は「ジャッカル」。実はかつてハンバーガー隊・静岡エリアの連絡員として活躍していた男である。


09年3月、最初のオープン。13年8月、善戦むなしく閉店。そしてそれから2年4ヶ月。臥薪嘗胆、捲土重来、ついに奇跡の再オープンを果たしたのが今年1月10日のことだった。そう、いま静岡市は待ちに待ったジャッカルの再開に歓喜している。


最初の店は静岡駅前の商業地の一角、角地のビル2階。はじめ3階が空いていて迷っていたところ、程なく2階も空いて即決。しかし4年半の最初の営業を振り返って「2階のハンバーガー屋は無い」というのがジャッカル氏の総括である。

幅の広い幹線道と緑道を前にした遮るもののない好立地で、窓から見下ろす往来の眺めもなかなか。建物も欧風なシャレた造りで悪くなかったが、「青葉おでん街」「青葉横町」などご存知「静岡(しぞーか)おでん」の聖地の真横で一個千円のバーガーは無謀の極み。「おでんだ」「おでんだ」の赤提灯に取り囲まれて孤軍奮闘、四面楚歌。ついに撤退を余儀なくされた。


閉店後は電ビル1階の超オシャレな「BLUE BOOKS cafe」、かつて勤めた古巣メキシカン「エル・ポジート」などで腕を揮いつつ、運送の仕事も掛け持って、運転しながら空き物件が探せる冥利に与っていたところ、ついに今のこの場所と巡り合った。

自慢のチリ

『乱暴者(あばれもの)』('53・米)のマーロン・ブランド。バイクはトライアンフ 6T サンダーバード

以前は人気のバイカーズカフェだった場所である。ちょうど静岡市街から日本平への上り口に当たり、ツーリング途中の休憩点、腹ごしらえをするのに適した立地だ。「わざわざ街中まで車で来て、駐車料金を払ってまでハンバーガーを食べてもらうのが恐縮でならない」と言っていたかつての場所を思えば、ここはまさに願ったり。店舗の周りに計5台の駐車スペースがある。


天井まで届く大きなガラス窓が張られた明るい店内にテーブル11、カウンター6の計17席。「2人で回すなら24席がベスト」というベテラン・ジャッカル氏には余裕の席数だろう。居抜きのため、最初の店と比べ開業資金は半分で済んだ。厨房機器はイチから入れたが、パティを焼く鉄板は2年前に売り払った店にまだそのまま残っていて、買い戻した。


前菜豊富に12品、ステーキほかグリル3品、ライス2品、ケサディーヤ4品。そしてホットドッグ4品。メキシカンで腕を磨いたジャッカル氏、「最初はチリドッグを食べて欲しい」と言うほどにチリに自信がある。「チリコンカン」550円。トマト缶不使用、フレッシュトマトから煮込んでこの濃厚な味わい。秘密はチポトレ

ハンバーガーは12品。ジャッカル氏にとっての"初心"の品、「ベーコンチーズバーガー」を。フレンチフライ付いて1,080円は良心価格。


オージーと国産を合わせた110gパティ。脂の少ない硬めな食べ口にガーリックパウダーを利かせた「ちょいワル」風味。再開に当たり、その「ちょいワル」を受けとめ・引き立てる「100パーセント納得いく」バンズを手に入れた。張りの強いゴワッと硬めな天然酵母バンズで、以前のものと比べ余計な甘味が無くなった分、パティに加えたガーリックが程よく前に出て、食材すべての相性・絡みが格段に良くなった。


そこへ片面強めに焼いたベーコン。ねっとりチェダー。バンズの食べ口がそのままバーガー全体の印象に結びつく「カシッ」と硬質にまとまったベーチー。


§§

二十歳の頃からのハーレー乗りのジャッカル氏。愛車は97年式ソフテイル。も、ここ最近ずっと冬眠中、バイク屋に預けっ放しだそう。店も再開したばかりだし無理もない。

 「じゃあしばらくは『バーガーパトロール』はできないな」と河野司令。
 「そうっすね、まして『空飛ぶバーガー』なんて飛んで来ちゃった日にゃ、とても太刀打ち……」と口惜しそうにジャッカル氏。
 「あぁでもそうだ……アノ男なら、引き受けてくれるかも……」

とジャッカル氏自ら推挙した「アノ男」と会うべく、次回も河野司令直々に指揮を執るAPIOジムニーライフ「ON THE STREET BURGER」――おたのしみに! (つづく)

< 文と写真:松原好秀 写真:GAO NISHIKAWA >

California Diner JACKAL [静岡・東静岡]

― shop data ―
所在地: 静岡県静岡市駿河区聖一色421-3
アクセス: 東名高速・清水ICより16分
駐車場: 5台
TEL: 054-297-5018
URL: http://cal-jackal.seesaa.net/
オープン: 2016年1月10日(最初の店オープン: 2009年3月23日)
営業時間: 11:30~15:00, 17:30~23:00
定休日: 月曜日(要確認)

  • 前の記事
  • 次の記事

関連ページ

【Vol.45 最終回】ジムニーで行く林道旅~静岡県・林道樫ノ木峠線他~

2012年6月から連載が始まったこの林道旅ですが、取りあえず今回が最終回となります。 最終回だからと...

【Vol.39】 噂のハワイアンスタイルチョッパー~Johnny's JAWAIIAN BURGER...

素敵ですね。どこだか少なくとも日本じゃないですね。 ハワイかも知れないし、カリフォルニアかも知れない...

【Vol.38】 最愛の恋人へ~GRANNY'S CAFE [静岡・三ヶ日]

浜名湖一周のちょうど真ん中、 天浜線・三ヶ日駅の駅舎のカフェは グラニーが「愛」をこめて作ったバーガ...

【Vol.37】 豪州帰りの男~Tequila's Diner [静岡]

放浪の旅の末、 オーストラリアで牛肉の捌き方と料理を学んだその男はこう言った...... 「もっと真...