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ON THE STREET BURGER
VOL.024
もう一台の「ハンバーガー号」~Bigmamacafe [横浜・北山田]
もう一台の「ハンバーガー号」~Bigmamacafe [横浜・北山田]

APIOジムニーコンプリートカーTS7、「ハンバーガー号」。
今日はこのおなじみの特殊任務車両とは別に
実は「もう一台ある」ハンバーガー号の活躍をご紹介しよう。
2台のハンバーガー号、夢の共演!

IKEAはスウェーデン発祥の世界的家具販売店。港北店は日本再進出後の国内2号店に当たる

「ビッグママカフェのオリモさん」と言えば、隔月刊誌『バイキチ』のリポーターとして今や有名である。国内各地のハンバーガーショップをカスタムバイクで訪ねる「YOKOHAMA W650 GREAT BURGER」は連載3年目に突入した人気企画で、訪ねた店は全国20余。オリモさんは行く先々で声がかかる人気者だ。


今回はその『バイキチ』レポーター・オリモさんとその愛車カワサキ・W650に"メディアを超えて"当「ON THE STREET BURGER」へご登場いただき、自身の店「Bigmamacafe(ビッグママカフェ、BMC)」とその近所をレポートいただくという、番外・特別編である。

『バイキチ』のオリモさん登場

今日のオリモさんはジムニーでGO!

「YOKOHAMA......」は'13年4月号よりスタートして目下連載13回。北は北海道から南は現在中国広島まで、その遠征取材に欠かせぬ旅の相棒がオリモさんの愛車カワサキ・W650である。


横浜・新羽(にっぱ)のバイクショップ「DEEP INSIDE(ディープ☆インサイド)」がこれをカスタム。黒地のフレームの上に木目をあしらったタンクを戴くスタイリッシュなカスタムバイクに生まれ変わらせた。その名も「ハンバーガー号」……そう今回は、日本にたった2台のハンバーガー号が相揃う夢の共演でもあるのだ。


いつもならバイクに跨るところを今日は特別編、オリモさんにはお馴染みの出で立ちのままAPIOジムニー・ハンバーガー号に乗り込んでいただき、地元港北(こうほく)ニュータウンをひと巡りご案内いただいた。


まずはニュータウンのランドマークのひとつ「IKEA(イケア)」へ。ここ「IKEA港北」はIKEA日本再進出後の国内2号店に当たる。BMCからは6kmほど。

片側3車線の大通りは広々として走るに気持ちよく、オリモさんの乗り込むハンバーガー号は、雲ひとつない早春の青空を背に映えるニュータウンのもうひとつのランドマーク、センター北の大観覧車を次なる目標地点に、そのまばゆさに吸い寄せられるように無心の姿で駆けて行く――。


横浜市内陸部の丘陵を造成して作られた港北ニュータウンは基本クルマ社会。ニュータウン内を走る市営地下鉄2路線のうち、グリーンラインが開業したのは2008年で、BMCはその10年前、1998年から北山田(きたやまた)駅歩2分の坂の上に既にあった。そんな場所ゆえ生活の足には圧倒的にクルマが便利だ。


近所を14、5km走った程度の軽い街乗りだったが、さぁレポーターのオリモさん、ジムニーに乗った感想は……「足回りの固さ、サスペンションがしっかり」「"運転してる感"がある」「パーフェクトですよ」、そして「テンガロンハットも似合う」。

みなと横浜伝統のスタイル

オリモさんの愛車カワサキ・W650、これがもう一台の「ハンバーガー号」

港から離れていようとも、BMCは横浜伝統のアメリカンを継承する店である――。


オープン当時、店の先は"山"で、廃車の打ち棄てられた薄暗い雑木林の向こうから猫とも赤ん坊ともつかぬ泣き声が聞こえてくる、うら寂しくも不気味な場所だったという。


「カッコイイお店ってどこにあってもカッコイイじゃないですか」。高校時代"カッコイイ先輩"たちの後に着いて回った横浜・本牧の名だたる店々にならい、場所にはこだわらないと決め、地元で始めた。


それが1998年。料理もインテリアも、情報は雑誌の小さな写真から得るよりほか手段が無かった時代である。床にタイルを市松に張るのひとつとっても、職人に切り抜きを見せながらの作業だった。アメリカンな内装に慣れた業者もおらず、おかげでずいぶん工費が嵩んだ。が、代わりに丈夫で長持ちする良い造りの店を手に入れた。

バンズとパティが自家製な理由(わけ)

私が初めて訪ねた2008年頃、BMCのハンバーガーは今から見れば"古風"なものだった。その頃ハンバーガーは中身より見た目、アメリカンな店に不可欠な「小道具のひとつ」のような、そんな前時代の名残をまだ引いていた時期である。


一方都内では専門店を中心にハンバーガーの研究が急速に進み、技術・品質とも劇的な進歩を遂げていた。それを目の当たりにしたオリモさん、俄然ハートに火が点いて猛烈な研究の末に一大改革を決意。それがバンズとパティの自家製である。


なぜそんな手間の掛かる道を選んだのか――パンも肉も「中に何が入っているのか全部知りたくて自分で作った。安心感が違う」。パティはオージービーフ100%。ブロック肉から切り出し、自前のミンサーで挽いて成形。バンズは白神こだま酵母で発酵、焼成。今や本職のパン屋と比べても遜色ないほどのみごとな出来映えを誇る。

夜のBMC

ムダな大きさやハデな高さより、シンプルに「食べやすさ」を追求したBMCのバーガー。手にとって持ちやすく、かぶり付いて食べやすいそのサイズ、形。そこにはさりげなくも緻密に成された計算と行き届いた配慮が込められている。メニューは全9品。中からベーコンチーズバーガー1,245円を。


ナツメグがよく利いたパティは120g。ピリリ・ヒリリと刺激的な味わいに生オニオンの辛味がしっかり連携。オニオンはやはり生に限る。とろけたチーズと融合する瞬間がまた堪らない。


ベーコンも変に我を張らずにパティと馴染んで、ひと言で言うならおいしさがギュッと「凝縮された」バーガー。クラウン(上バンズ)とヒール(下バンズ)の間に挟まる各食材がカチッとコンパクトにまとまって生まれる「縦のフィット感」が魅力だ。外よりも内に向かうおいしさ。昼はチリビーンズスープとお代わり自由のドリンク付き。


§§

カスタムバイクで全国バーガー店を巡る「YOKOHAMA W650 GREAT BURGER」の旅。その途上、諸国さまざまなハンバーガーと出合ううち、オリモさんはわが街・横浜を「外から観る」機会を得た。そして「新しい横浜名物を作ろう」という運動を思い立つ。


新しい横浜名物――それが「045 COFFEE」。横浜にコーヒー豆。月並みなようで意外でもある。果たして売れるのか、とも思う。だが045……は競合数多の厳しい審査を掻い潜って「ヨコハマ・グッズ 横濱001」の認定を受け、市内百貨店・土産物店での販売を着々準備中という。バーガーとバイクの旅の果てにオリモさんが得たものは横浜の"市外局番"を冠したコーヒー豆だったという、これまた思いもよらぬ展開だ。


何が起きるかわからない。だから旅は面白い! オリモさんのW650、そして我らがAPIOジムニーTS7、2台のハンバーガー号の旅はまだまだ続く!

< 文と写真:松原好秀 写真:GAO NISHIKAWA >

Bigmamacafe [横浜・北山田]

― shop data ―
所在地: 神奈川県横浜市都筑区北山田2-4-20 ヴァンクレールⅡ1F
アクセス: 第三京浜道路・都筑ICより10分
      横浜市営地下鉄グリーンライン 北山田駅歩2分
駐車場: コインPあり
TEL: 045-592-3331
URL: http://www.bigmamacafe.com/
オープン: 1998年1月25日
* 営業時間*
ランチ:火木土日のみ 11:30~15:00(14:30LO)
ディナー:19:00~26:00(25:30LO)
定休日: 月曜日(要確認)

センター北駅、モザイクモールの大観覧車とジムニー
ジムニーで地元・港北ニュータウンを走るオリモさん
追い抜くベージュに薄青のペイントは横浜市営バス
2台のハンバーガー号、そしてオリモさんのもう1台の愛車ジープ・ラングラーと
2台のハンバーガー号。片やタンクに翼の生えたバーガー、片や扉に撃墜マーク
やがて日は暮れ、夜のBMC
ランチから一転、夜はお酒の店。壁にはGAO NISHIKAWA氏のイラストが掛かる
「中に何が入っているのか全部知りたくて」始めたパティとバンズの自家製も早6年。毎日仕込んで、今や本職顔負けの腕前
店内でダーツもプレイ可能。かつてはピンボールやスロットもあった
BMC店主オリモ(織茂)さんとハンバーガー号
旅の末、新しい横浜名物をと誕生した、これが噂の「045 COFFEE」。BMC店頭でも販売中