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ON THE STREET BURGER
VOL.032
新・常陸国風土(ふーど)記~TRIP CROWS [茨城・ひたちなか]
新・常陸国風土(ふーど)記~TRIP CROWS [茨城・ひたちなか]

国道6号線沿いの新名所。
一店は国内有数のサドルバッグメーカー、
もう一店は「旅がらす」という名の憩いのハンバーガーショップ!

旅の途中、常磐道にてAPIOジムニーコンプリートカーTS7「ハンバーガー号」

「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」――それは『土佐日記』。紀貫之。こっちは『常陸国風土記』。但し今回の記事だけで旧常陸国のグルメをあまねく網羅しているワケではない。去年「つくば」を訪ねたので今日はその続編。


今度の旅の目的地・茨城県ひたちなか市周辺には他にもこんなグルメがあるというのをページ下部の"ギャラリー"に載せておいた。隣の那珂(なか)市には「常陸野ネストビール」でその名を世界に知られる「木内酒造」がある。


本社併設の食事処「な嘉屋」でおいしい樽生ビールと手打ちの蕎麦が楽しめるパラダイス。自分だけのオリジナルビールが誰でも造れる「手造りビール工房」も大人気で、かつて私もこんなビールを造った――ハンバーガーに合うビール、題して「HAMBUR ALE(ハンバーエール)」(笑)。

海へ向かえば、海岸線に沿ってひたちなか海浜鉄道湊(みなと)。その路線の中ほど、「関東の駅百選」にも選ばれた那珂湊(なかみなと)から歩いて少しの那珂湊漁港にある「那珂湊おさかな市場」には、港に揚がった新鮮な魚介類が食べられるレストラン・回転寿司が全部で7店。今月11月からはあんこう鍋がスタートと……こちらも極楽。堪らぬ。


とこんな具合に、訪ねた土地々々に名物・名産はふんだん豊富、綺羅星の如くあるのだが、我らAPIOジムニーコンプリートカーTS7「ハンバーガー号」は、諸国漫遊はその任に非ず。米国発祥の食べ物"hamburger"の調査・研究、それにまつわる諸問題の解決・解消を主たる任務に、旬も季節も関係なく、今日も旅から旅への……というワケで今回ご紹介するのは、まさにその旅がらすである。


§§

ラフテール

TRIP CROWS(トリップクロウズ)」を語るには、まず隣の「ROUGH TAIL(ラフテール)」について語らねばならない。きっと多くの人が間違って認識していることと思うが、トリップクロウズとラフテール、両店はまるで別個の、それぞれ独立した店である。


ラフテールは創業48年の地元ひたちなか密着の企業が始めた、バイク用オリジナルサドルバッグを製造・販売する全国的ブランドであり、片やトリップクロウズは、同じく市内にある居酒屋「BAKU BAKU DINING 和'S」のオーナー松本さんが始めたハンバーガーショップである。


松本さんは飲食歴20年。2007年に和'Sを始めて、「5年継続できたらもう一店やりたいな」と考えていたのが震災で1年ずれ、2013年にオープンさせた2店目がトリップクロウズ。以下トリクロ。「Z」は付かない。


同じ居酒屋商売を2店やっても面白味がない。まるきり違う業態をやろうと考えた松本さん。そこでひたちなかではそうそうないハンバーガーの専門店を思いついてコンセプトを固め、その出店場所を探していた。


一方のラフテール。最初は水戸市内でバイク用品のセレクトショップとしてスタートしたが、サドルバッグの生産が本格化した2007年に直営ショップおよび"工房"を現在地へ移転。レザーアイテム、中でもハーレーダビッドソンを主とするオートバイのサドルバッグの分野において国内有数のブランドに急成長を遂げた、全国的知名度を誇るレザーメーカーの拠点がココである。


オモテは販売店。奥が工房、作業場になっていて、つまり店舗のすぐ裏で製造している。まさにメーカー直。

ダイナオガレージファクトリー

トリップクロウズはラフテールの隣。両店はデッキで繋がっている

さてそれで。広々とした駐車場を有効活用しようと考えていたラフテール――と、そこへ出店場所を探している松本さんが現れた。「ウチの脇、よければ貸すよ」と言われて決定。ここに需給の一致を見たワケである。


最初40フィートコンテナでやろうと考えていた松本さん。静岡・磐田のバイクガレージ専門店「ダイナオガレージファクトリー」をラフテールから紹介されて、店長・角田(かくた)さんと2人、早速打ち合わせへ。


ダイナオガレージにとってもこれが初めての飲食店の注文だったという、ダイナオ特製「D-styleガレージ」を3連結して造った特注物件。骨格は高強度75ミリ角鋼管製フレーム。壁と屋根の外装は丈夫なガルバリウム鋼板。色は松本さんが最初から決めていて、外が緑青(ろくしょう)のイメージ。中はそれに合わせた青系。店内12席。外10席。

元がガレージ=車庫とは想像できない、心地よい住空間

松本さんも角田さんもバイク好き。すぐ隣はバイク関連の店。だからバイク乗りたちが休憩がてら、ちょっとお茶して、サクッと食べて……というところからスタートさせていった店であるが、難しいもので、そういう店は一般的には「怖い」イメージがある。


そんな"取っ付きづらさ"から脱したのは「ランチパスポート」という企画だった。気軽に食事できることが女性客にも知れて、今では土日は行列ができるという。客層は男女半々。大体カップル。天気の好い日はテイクアウトして海で食べたり。また週末はツーリングのバイカーたちの立ち寄り所にもなっている。


バーガーメニュー23品(鶏ほかサンドイッチ含む)。人気のタコライスなどのライスメニュー9品。タコスほかサイドメニュー23品。サラダ3品。デザートは一番人気のフレンチトースト以下4品。店の大きさに反して意外なほど品数が多い。ビールは樽生がバドとハイネケン。よく出るそう。その他アルコール・カクテルメニューも充実しているが、こちらは「そんなでもない」。

8種類のソース

ハンバーガーのダントツ一番人気は店名を冠したトリップクロウズバーガー540円。↑上の写真のバーガーがたったの540円……これは安い! お買得!


「誰でも食べやすいものを」心がけて作った。パティは国産牛100%のサイズ80g。つなぎあり。バンズは日立市のパン店が作る特注品。ふかっとやわらかで少し表皮が張ったバターロールのような生地。


「入り口をソースで広げたい」という思いから、8種類のソースを擁する。トリクロバーガーにはトマトとタマネギを煮込んだトリクロソース。もちろん自家製。ドレッシングのようなライトな甘味が肉と混ざり、アボカドと混ざり、そこへ生オニオンの辛味。ソースの中にも刻んだオニオン。さらに食感出しでフライドオニオンがトッピングされているので、オニオンは三たび登場。レタスはグリーンカール。あまり火を通していないチーズがしっかりとした味を底で発揮。同じく焼き込まないベーコンがやわらかな塩気。

味わいにぎやか豪華絢爛。年齢・性別問わず誰もが楽しめる明快なおいしさ。ニッチなバイカーズショップの横は意外な庶民派。


§§


ということでラフテールとトリクロ、相乗して今や国道6号線沿いの新名所となりつつある――というのがこのたびの『新・常陸国風土(ふーど)記』の締めである。タイトルに偽りあり。結局ハンバーガーよりほか、蕎麦も魚も食べられなかった……いつだってこうなのだ。我々は。

< 文と写真:松原好秀 写真:GAO NISHIKAWA >

TRIP CROWS [茨城・ひたちなか]

― shop data ―
所在地: 茨城県ひたちなか市稲田1048-86
アクセス: 常磐自動車道・那珂ICより県道31号線経由15分
駐車場: 豊富にあり
TEL: 029-219-5722
URL: http://ameblo.jp/tripcrows/
オープン: 2013年2月14日
* 営業時間 *
平 日: 11:30~14:00, 17:00~22:00
土日祝: 11:30~22:00
定休日: 水曜日(イベント出店などによる臨時休業あり。要確認)

セブンイレブンの店舗跡をみごとにリフォーム。その痕跡はかろうじてこの入口扉のサッシに見られる
奥の工房。硬く分厚い北米産の牛皮をも縫えるミシンなど専用の機材が並ぶ
ランドセルのようにも見えてズシリと重いビビッドな赤いサドルバッグと、髪の長いスタッフの……名前は失念……
そんな長髪の彼女も大好きなトリップクロウズ。さっぱりとした外観・色合いが気持ちよい
今日のお昼は……
オーナー松本さんの愛車トヨタ・ハイラックス。アンティークペイントはなんとハンバーガー号と同じ、ペイントファクトリー
オーナー松本さん。産みの親ならぬ「塗りの親」を同じくする2台に挟まれて
こちら店長・角田さん。松本さんとはバイク仲間。トリクロは角田さんの存在あってスタートした計画だった
人気メニュー「チキンタコス」1P324円。皿からはみ出すほどに大きなトルティーヤに、ソースはサルサ
帰途、水戸の並行車・輸入車販売「wildstyle」にて。オーナー伊勢さんは自動車用前照灯に関する特許を持っている
那珂市の「木内酒造」。本社併設の「な嘉屋」でおいしい樽生ビールと手打ちの蕎麦が楽しめ、「手造りビール工房」ではビール造り体験も
そして「那珂湊おさかな市場」。嗚呼、ホヤ貝が! 回転寿司が! 冬はあんこう鍋が!!