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ビヨンド・ザ・フィールダー
VOL.005
アフター5に気軽に焚き火を楽しもう
アフター5に気軽に焚き火を楽しもう

アウトドア派で焚き火が嫌いという方は、そんなに多くないと思う。
僕は煙に燻される臭いが苦手なのだが、それでも一度焚いてしまうと夢中になってしまう。
焚き火というキャンプで...というイメージが強いが
仕事帰りにちょっと焚き火を楽しむなんていうライフスタイルも素敵だ。

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焚き火のコツは燃焼のメカニズムを理解すること

薪はできるなら太さの違うものを2種類以上用意していきたい。

焚き火はするんだけど、どうも着火まで時間がかかる…という方はいないだろうか。たしかに、太古から火を起こすという行為は苦労を伴ってきたようだ。現代には100円のライターがあるからラクに火を得ることができるが、それだけに薪を燃やすコツというのを知らない人も多いのかもしれない。

かくいう僕も以前は、やみくも薪を燃やして、ただただ白い煙ばかり出て閉口したことがあった。いま考えると、これはモノがどのように燃えるのかということを理解していなかったからだと思う。

皆さんはモノがなぜ燃えるかご存じだろうか。かなり多くの人が、火はモノが直接燃えた結果だと思っていると思う。だが、実際はモノが発するガスが燃えているのだ。

有機物も無機物も、ある程度高温になると構成している物質が分解される。この温度というのはモノによって異なる。ちなみに薪のような木質バイオエネルギーの場合、環境が整うと約260℃以上でガス化すると言われる。そして500℃までガスを放出し続け、それ以上になると徐々に炭化が始まる。

薪を燃やすと白い煙が出る。これをモノを燃やした結果…と思っている人もいると思うが、実はこれは未燃焼ガス、つまり燃やせば燃せる貴重なエネルギーだ。これがブスブスと出ているということは、エネルギーを無駄に大気に放出しているという証拠なのだ。

野外用薪ストーブを使えば効率良くエネルギーを使うことができるが、ダイナミックな炎は望めない

こうした未燃焼ガスは、野外用薪ストーブを使えば比較的容易に再燃焼させることができる。薪ストーブであれば未燃焼ガスが出るのあ「箱」の中なので、炎が届く範囲なら再燃焼するし、また燃焼室内の温度が高温になっていれば自然着火する。ところが大気開放の焚き火では、燃やすコツというのが必要になってくる。

このコツさえ覚えれば、焚き火は簡単に着火でき、灰になるまで薪から美しい炎を上げ続けさせることができるのだ。

前述した通り、薪は高温になってガス化することで燃える。つまり、薪をいかに高温にさせるかというのがポイントだ。上手く燃えないなのは薪が低温だからであって、それゆえに白い煙も出てしまう。

では、どうすれば上手く燃やせるのか、具体的な方法を次で解説しよう。

用意するモノの知識も焚き火必勝法の1歩

厚手の革手袋と火ばさみは、焚き火の必需品。どちらもホームセンターで数百円で購入できる。

まず準備するものから説明していこう。まず薪だが、ホームセンターで売っているものはサイズが決まっているので仕方がないが、できれば細い薪、中くらいの太さの薪、そして太い薪があればベストだ。なぜなら、いきなり太い薪を燃やしても上手く燃えないからだ。

1種類しか薪を入手できない場合は、割り箸や新聞紙、着火剤を多めに用意しておきたい。細目の角材などがあれば、短めに切って持っていくといいだろう。

次に厚手の革手袋と火ばさみは必需品だ。薪をくべたり動かしたりする時に使う。これがないと火傷をすることになる。よく軍手を使っている人がいるが、これは燃えたり、熱を通して火傷をしたりするので焚き火に向いていない。最低でもスワニーグリップ程度の革手袋が必要だ。

次に焚き火台。よく河原で地面に直に焚き火をしているのを見かけるが、これは日本ではマナー違反。焚き火をした後の地面は黒くなって見苦しいし、消し炭をそのまま残していくのも汚い。きちんと焚き火台を使って、スマートに楽しみたいものだ。

念のため、水の入ったタンクも用意していこう。これはイザという時の消火用だ。

薪は含水率20%以下でないと、よく燃えない。しっかりと乾燥されている薪を使おう。

薪について、もうひとつ知っておいていただきたいことがある。よくキャンプ場などで生木に近い薪を販売していることがある。こういう薪は、実は上手く燃えない。薪には含水率というのがあって、この数値が20%以下であれば十分乾燥していると言える。

薪の中の水分というのは実に頑固で、濡れた衣服なら火の側に少し置いておけば乾くが、薪の水分は2100℃にならないと蒸発しないのだ。この水分が燃焼温度を下げ、ガス化を妨げる。白い煙の正体は水分でもあるのだ。

ホームセンターや燃料店で売られている薪は十分乾燥してあるので安心だが、見た目で「生木っぽいな」と思ったら買わないのが得策だ。ちなみに自然乾燥した薪を作るには、なんと2年も乾かさないといけないらしい。

熾火をしっかりと作るのがポイント

太さの違う薪を井形に組むことで、空気が良く入って、下に熾火が効率良く落ちる。

いよいよ焚き火の準備だ。まず焚き火台の上に、中くらいの太さの薪2本を平行に載せる。1種類の太さしか用意していない場合は、それでいい。その上に焚きつけを井形に載せていく。細い薪がない場合は、割り箸や乾いた小枝、捻った新聞紙でもいい。小枝の場合は井形でなくとも、ラフに山形に積んでしまってもOKだ。

焚き付けや小枝の間に、着火剤を2〜3個ほどランダムに入れていこう。載せるだけでなく、中に入れたほうが着火がしやすい。

ちなみに井形に組むと、その隙間に上昇気流が発生して火が回りやすくなる。さらに上で燃えた薪などが炭となって下に落ち、熾火がコンスタンスにできる。上に新聞紙を載せる場合は、捻ったものを多めに用意しておきたい。紙はすぐに燃えてしまって、しかも熾火になりにくい。たくさん燃やすことで、薪の表面をどんどん燃やすしかない。

焚き付けの代わりにBBQ用の炭を使うという手もある。これで焚き火を着火する方法は後ほど述べよう。

割り箸は家庭で一度使ったものを取っておくといい。割り箸はよく燃えて、着火時には実に重宝する。熾火にもなりやすい。ただし、数本では熾火にならないので、多めに用意しておこう。

このように炭が燃えている状態を「熾火(おきび)」という。この状態をまず作る。

点火剤に着火したら、とにかく焚き火台の底に熾火をたくさん作っていく。前述したように、薪は高温でガス化して燃え、煙もまた高温で自然着火する。焚き火で失敗が多いのは、この「高温」という環境を作ってやらないからだ。

熾火をたくさん貯めて、火床を作ってやれば、薪は放っておいてもしばらくすると自然着火してくれる。いきなり大きな炎を作らないで、小さな炎で我慢する時間が必要なのだ。

先ほどのBBQ用の炭を使えば、熾火を作る時間を短縮することができる。焚き火台に炭を並べて、着火剤を多めをして火を点ける。炭が赤々と燃え始めたら、そこに薪を2本ほどクロスして置いてやる。しばらくすると自然と薪が燃え始めるはずだ。

薪は置く角度で燃えるスピードや炎の大きさが変わる。盛大に燃やしたいなら、薪を立てる。逆に燃費を良くしたいなら、寝気味にすると長く燃える。

焚き火を楽しくするグッズたち

写真はモノラルの「ワイヤーフレーム」という焚き火台。デザインの美しさにもこだわりたい。

せっかく優雅な時間を楽しむのだから、やはり使う道具にこだわりたい。まず焚き火台。ユニフレームやスノーピークなどから、使いやすい焚き火台が豊富にリリースされている。焚き火だけでなく、BBQグリルとしても活用できる商品もある。

逆にBBQグリルを使って焚き火をするという方法もある。ただグリルの場合、炭での使用が前提で高温になる焚き火をカバーしていない商品もある。そういった商品の場合、焚き火をすると歪んだり燃えたりするので注意が必要だ。

僕がオススメしたいのは、モノラルという小さなブランドが作った「ワイヤーフレーム」という焚き火台。バックパッカー用に小さく折り畳めるので、いつもジムニーの荷室に入れておいても邪魔にならない。その上、デザインが実に美しい。大手メーカーの焚き火台は使い勝手がいいけれど、残念ながらカタチがイマイチだ。

焚き火台とセットで揃えたいのがチェアだ。昔の焚き火は直火が多かったので、クレージークリークのような座椅子タイプのチェアを持って行く人が多かった。でも焚き火台は地面から浮いているため、地面に座るようなチェアは、熱が来ないのでちょっと冷える。焚き火台を使うなら、ヘリノックスチェアのような中腰のものがオススメだ。これなら膝や身体も均等に暖かくなる。

南部鉄でできた「ベイク用グリルパン」。ダッジオーブンと同じで、焚き火だけでなく魚焼きグリルでも使える。

焚き火の炎をただ眺めているだけでも楽しいものだが、せっかくなのでそれを使って夕食を作りたい。焚き火で使う調理器具と言えばダッジオーブンが一般的だが、これを使うには三脚やグリル台が必要となる。同じような料理を手軽に作れるのが、クック&ダイン葉山で販売されている「ベイク用グリルパン」だ。

南部鉄で作られている平たいダッジオーブンで、熾火の上に載せておけば簡単にグリル料理ができる。ダッジオーブンのように上に炭を載せておけば、素材の裏表がコンガリとジューシーに焼き上がる。例えば鶏肉と野菜の乱切りに塩をして入れるだけで、15分後には極上料理の完成だ。7000円とお手軽価格で、しかも家庭用の魚焼きグリルでも使えるので、1個は持っておきたいアイテムである。

焚き火の魅力はその単純さにある。ただ薪を燃やす。だが、僕らのDNAにすり込まれた焚き火への憧憬が、あの炎を何よりも楽しくしてしまう。仕事が終わったら、気の向くまま焚き火を楽しみに行ってみてはどうだろうか。

<文/山崎友貴、写真/山岡和正>

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