7日目、最後のデューン超えは楽しかった
残すところ1日となった7日目のデューン、このデューンを無事超えればほぼこのラリーも終わったようなものと思われた。
この日も菅原さんと前になり後になりのバトルが続いた。まずはタイヤエヤーを0.6まで落とす。だが俺の前尾根でニッサンサファリがスタック・・。ナビさんがスタック車の右斜面を登って前に出よう・・!ウーンッこれまた俺の嫌いな斜面走行、助走が効けば一気に超えられるが殆んど加速が付かない。まずは挑戦・・!
スタートして数秒後、ヤバイッと思った。瞬間右後輪がフワ~ッと浮いた、こんな時その場で止まったらおしまい。ナビさんは「遂にやってしまった・・?」と思ったとの事。俺はエンジンがストールしそうであったがそのままアクセルONで谷川にハンドルを切った・・。危機一発ってとこか、しかしこの時はまだ車が動いていてパワーもまだ少し余裕があり、まだコントロール出来ると確信した。
デューンの尾根近くでスコップ作業している男達に「その横を登るからちょっと退いて」と指示を。その男達が退いたところを一気に加速・・、そこは急な斜面であったが絶対行けると確信していた。
ヤッタゼッ・・!サファリのお兄さん達唖然として見ていたな~・・。
ところで前日だったか、ナビさんに「次のデューンは俺の走り方で行くから進路方向だけ言ってね・・」と伝えておいた。
幸いこのデューンは特別スタックも無く無事超えられキャンプに到着。
この日は夜中になっても15台程砂に埋まってデューンを超えられなく、カミオンが救出に向かいようやく深夜帰着できたようだ、だが1台は朝帰りとなった。
次回のモンゴルラリー、もし砂が多いようであれば装着タイヤをMTからATに替えて参戦しよう・・。
ラリーは走る実験室
過酷な長距離ラリーに参戦すると色々部品の強度や使いやすさ、またこんなパーツが欲しい等の実験をしているようなものだ、今回は後半雨が各地で降り多くの川が増水した。
川が増水したからって日本では橋があるからそんなにビックリしない、しかしモンゴルの大地では基本的に橋は無い。今回も増水で特にバイクは大変であったようだ。
川渡りの前に誰かが犠牲になることが多い、最初の人が上手く浅く流れの弱い場所を見つければどうって事は無いのだがそう上手くはいかない。
以前ロシアンラリーに参戦した時、運転席も水につかるほどの川で俺たちのJB23のエンジンがエアークリーナーから水を吸い込み水中で止まった。
幸い後続のそれも一度スタックしていたところを引いてあげた車が来た。その車は俺たちが深い場所にいたものだから脇を通過。早速引き上げてもらった。一度エンジンが水を吸い込むとけっこう復帰するのに時間が掛かる。
その時の経験から帰国後エアークリーナーの「ウオーターブロック」装置を作った。お陰さんでその後はかなり深い川渡りでもエンジンに水が吸い込まれない。
勿論今回もこの装置を装着したお陰で助かった。
昨年はエンジンマウントの強度が足りなくエンジン脱落事件が起きた、一昨年菅原さんのジムニーも同じ脱落が起きた。そこで今回は強化エンジンマウントを製作し装着。時々注意しながらチェックしていたが全く問題なく保たれた。
アピオから前後ショックアブソバー下部装着部分の強化部品が発売されている、これもモンゴルラリーやレースの経験から考案したもの、その他いろんな部品がこれらのラリーやレースの動く実験室から生まれている。
今後もいろんな部品が生まれて来ることだろう、乞うご期待ください。