何故、私は林道にいるのだろう。
険しい道を目の前に、ふと思う。
不思議でたまらない。
しかし、楽しくて仕方がない。
ずっと自然が好きではいたが、そこまで積極的に自然と触れ合っていたわけではなかった。 写真を撮り始め、私は少しずつ森に行くようになった。 初めの頃は黒蔵もおらず、大きなリュックを背負って電車で森に赴いたものだ。 何も森に関しても山に関しても知識はなく、適当に寝袋で眠ったり。 今思い返してみると、恐ろしい事をしていたと思う。 そんな中、とあるきっかけで林道という存在を知った。 撮影先で出会った方が、林道へ連れて行ってくれたのだ。 あの時の感動は忘れる事が出来無い。 自分の中で新しい冒険が始まった瞬間だと言える。 それから、林道への想いは強くなっていった。 森の中の険しくも美しい道。 その先に広がる光景はまるで宝物のようだと思った。 きっと、私は魅了されてしまったのだろう。
すぐに、私の足となってくれるジムニーを探し始めた。 そして一カ月程して、新古車として販売され始めた直後の黒蔵(JB43 ジムニーシエラ)と地元のスズキのディーラーで出会ったのだ。 まさに求めている、そのものだった。 なんとかっこよく、美しい車だろうと思った。 そしてすぐに購入する事ができた。 この出会いが、私にとってのAPIOとの出会いでもある。 様々なカスタムショップを検索し、作り込まれて冒険心をくすぐるようなAPIOのホームページに目が止まったのだ。 ここに行ってみたい、、、と。 初めてAPIOの店舗に訪れた時は心が踊った。 外に停まっているAPIOカスタムのジムニーの格好良さには一目惚れ以外の言葉が見つからない。 黒蔵のAPIOカスタム化が始まった。 まず、私は各地の林道に入り始めた。 林道で実際に走って、必要だと思ったパーツをまた取り付ける。 その繰り返しで、現在の黒蔵は完成した。 どんどん走破性が向上するのを実感出来、その度に新たなる旅への期待が広がっていく。
自分で運転する林道は、まさに大冒険だ。 時には浅い川を渡り、時には岩の上を進む。 生い茂って先が見えづらい道を抜けると、広大な世界が広がっているなんて事もある。 森の中の車中泊では、近くを通る動物の足音に聞き耳を立て、起きて外に出ると霧に飲まれた神秘的な森と出会う事ができる。 自分の足では行けない場所に、APIOカスタムとなった黒蔵は連れて行ってくれる。 今となっては、私の撮影に決して欠かす事の出来ない存在だ。 来年も、様々な林道での撮影生活を送ることになる。 危険もあるが、それ以上に数多くの感動をあたえてくれる。 来年はどんな光景に出会うことができるのだろうか。
今回で12話となるこの連載。
いつもご覧いたき、ありがとうございます。
これからも写真を通して、ジムニーと林道の素晴らしさを更にお伝えできるように頑張ります。
それでは皆様、来年も何卒よろしくお願いいたします。
瀬尾拓慶
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