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ジムニーで行く林道旅
VOL.035
~宮城県・沼井林道他~ 前編
~宮城県・沼井林道他~ 前編

「冬は走れない東北の林道に行きたいな〜」と思っていたら、
その願いが通じたのか、いつもの倍、3泊4日のスケジュールが確保できた!
そこで、せっかくだから、訪れたことのない林道と温泉を検索。
1泊目は宮城県にある鳴子温泉と、その周辺にある林道天国を選んだ。

Yカメのワガママを受け入れよう!

秋田県湯沢市にある河原毛大滝湯。源泉は世界に3つしかないという稀少な強酸性温泉で、何とも素晴らしいロケーションだ。

APIOがバイクのパーツメーカー『ヨシムラ』とコラボしてJB23/43用マフラーをリリースしているのは周知の通り。その繋がりからバイク好きなYカメは、3年前から『鈴鹿8時間耐久レース』を予選から本戦まで撮影している。この異常とも言える炎天の下、重いカメラ機材を身につけながら一日中歩き回ること数日。昨年は4〜5㎏も痩せたという。

筆者:「帰宅したら、ゆっくりと寛ぎたいだろう?」
Yカメ:「もちろん、そのつもり。だから仕事を入れていない」
筆者:「そうだよな〜。この暑さだし、休まなきゃ体がもたないもんな」
Yカメ:「昨年は帰宅して次の日から登山の撮影があって大変だったんだよ…」
筆者:「なら温泉でも行ってのんびりしようぜ! 仕事入れてないって言ったよな?」
Yカメ:「えっ? もしかして林道?」
筆者:「もちろん! 仕事と思わなければイイじゃん。好きなだけ温泉に入れるんだぜ? 豪華な食事で腹一杯になれるんだぜ! 予定が空いていれば、遠くまで足を伸ばしてもイイよ〜」
Yカメ:「オレが行きたい温泉に行けるならイイよ!」

と言うことで、今回は秋田県湯沢市にある『河原毛大滝湯』と同じく秋田県は仙北市にある『乳頭温泉』を軸に予定を組むことにした。もちろん、いずれもYカメのリクエストである。

『河原毛大滝湯』は詳しく知らなかったが、北海道にある有名な『カムイワッカ湯の滝』と同じく温泉が流れている滝。大自然が恵んでくれた手つかずの秘湯である。そして『乳頭温泉』は白濁湯が特徴の温泉郷。筆者も長年に亘り夢見ていたので、非常に楽しみである。

高速道路を快適にひたすら北上

『スーパーつよし君銀八安心サスペンション』を装着するコンプリートカー『TS-7』。林道旅に最適な走りを見せる。

『河原毛大滝湯』と『乳頭温泉』を軸に、どのようなプランを立てようか? ちなみに自宅から乳頭温泉までは約600kmもある。撮影時間(結構時間が掛かるんだよね〜)を考慮すると2泊3日ではキツイ。また『河原毛大滝湯』の近辺に宿を取ると走れる林道がかなり限定されてしまう…。

地図と睨めっこしながら様々なプランを検討した。そして1日目に宮城県にある鳴子温泉に宿泊し、2日目に近くにある林道を数本アタックする。その後『河原毛大滝湯』に浸かり、そのまま北上して湯沢市か横手市のビジネスホテルに宿泊。3日目に『乳頭温泉』を目指しながら途中にある林道を走り、『乳頭温泉』に泊まる。4日目は『乳頭温泉』近くにある短い林道を走って帰宅するという計画を練った。

ちなみに2日目にアタックする鳴子温泉周辺の林道はスゴイ! 何がスゴイかって、10.7km、10.2km、9.7km、5.2kmのダートが繋がっている林道群密集地で、さらにそこから3kmほどで、4.1km、17.1kmの林道が走っているという、まさに林道パラダイスなのだ! さすがに撮影しながら全てを走るのは無理だが、時間の許す限りは走る気でイッパイ。

自宅から鳴子温泉までは約440km、90%以上が高速道路を使っての移動だ。今回の車両はJB23-9型をベースとしたAPIOコンプリートカーTS-7。足回りは、車高純正比45mmUPのスーパーつよし君銀八安心サスペンション』を装着している。

TSシリーズは他にビルシュタイン/ショックアブソーバーとROADWINショックアブソーバーRE50の2タイプが設定されているが、Yカメは「街中から高速、ダートまですごくシックリくるんだよね〜」と『銀八』がお気に入りのよう。疲れているはずなのに「途中まで運転するよ」とステアリングを握り、東北自動車道を『流れの速いグループ』に加わって北上する。

ご存じのように東北自動車道はRの大きな高速コーナーが連続する箇所がある。そこをノーマルのサスだと怯えるような速度で攻めても『ビシッ!』と安定した状態のまま走り抜ける。車高が上がっているにも関わらず、格段にスポーティな走りを見せるのだ。快適だから助手席に座っていると、つい眠たくなってしまう…。おかげで予定よりもかなり早い時間で現地に到着しそうだ。

硫黄臭が漂う温泉街

鳴子温泉は温泉が豊富。駅前や広場、駐車場に足湯が設けられていた。もちろんすべて無料だ。

鳴子温泉は国道47号線の脇にある小さな温泉街だ。そして近くには、東鳴子温泉と川渡温泉、中山平温泉、鬼首温泉があり、それらと一緒に『鳴子温泉郷』と呼ばれていて、福島県の『飯坂温泉』、宮城県の『秋保温泉』とともに奥州三名湯に数えられている。ちなみに『鳴子温泉』の始まりは826年のことで、鳥屋ヶ森山の噴火により現在の温泉神社から温泉が湧出したと言い伝わる。

鳴子温泉の街中を散策したところ、温泉街特有の硫黄臭が漂ってきた。この臭いだけでも「温泉に来た!」と気分が高まる。そして駅前や公共駐車場など数カ所に足湯が設置されるなど、湧出する温泉が豊富。なんでも鳴子温泉郷にある源泉の数は400本近くに及び、日本にある11の泉質のうち、9種類が鳴子温泉郷に集まっているという。ここは温泉の百貨店やぁ〜!

東鳴子温泉 紅せんの夕食。目を奪われるほどの豪華さは感じないが、丁寧な造りと絶妙な味付けで素晴らしく美味い!ボリュームも大満足だ。

魅力たっぷりの温泉郷の中から我々が選んだ宿は、東鳴子温泉にある『湯の宿 紅せん』。温泉は、大浴場(内風呂と露天風呂)と貸し切りの家族風呂(内湯)、貸し切りの露天風呂を備えている。お湯はほぼ無色透明で硫黄臭もないが、湯持ちの良さが特徴だ。

食事は地場産の食材にこだわった、手作りの郷土料理。『豪華絢爛!』と驚くようなメニューではないものの、一品一品丁寧に調理されているのが伝わってくる。オトナ向けの薄味で、食材が持つ本来の味を堪能できるのが魅力と言えよう。優しく心温まる味付けだ。素直に美味いと感じた。

スタッフの対応を含めて館内にはゆったりとした暖かい雰囲気が漂っている。失礼ながら、建物や食事のメニューなど見た目は普通なのだが、非常に居心地が良い。あたかも自分の家で寛いでいるかのような安らぎを感じるのが高い人気の要因なのだろう。Yカメも一晩ゆっくりとして疲れが取れたようだ。さぁ、明日は思い切り林道を走りまくるぞ!

紅せんの貸し切り露天風呂。風呂は他に大浴場の露天風呂と内湯、貸し切り家族風呂が備わっている。