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ジムニーで行く林道旅
VOL.034
~長野県・蝶ヶ原林道他~ 前編
~長野県・蝶ヶ原林道他~ 前編

林道にも我々二人と相性の善し悪しがある。
よく候補に挙げるのだけれども、そのときだけいつも通行止め...。
そんな巡り合わせの良くない林道のひとつが、長野県の『蝶ヶ原林道』だ。
「いつかは走りたいな...」と思っていたら、通行可能との情報を入手。
「このチャンスを逃したらいかんだろ!」ということで今回の行き先が決まった。

ジムニーなら行けた林道

約5年前に訪れたことのある別所温泉。日帰り入浴できる湯船が3箇所にあり、その時は「石湯」に浸かった。

前回の南会津はとっても良かった! 「今回も関東以北だな! 猪苗代湖まで足を伸ばすか!」とふたりの意見はまとまろうとしていた。「2泊3日が可能ならば、白神山地まで行ける! あのブナ林は非常に魅力的だぜ」。「確かに! あと蔵王近辺にも楽しい林道があるみたいだよ。あっ、蔵王と言えば、あの露天風呂はイイよな〜」。「八幡平も良いね〜」。

ほぼ東北方面に決まりかけていたが、念のために他の林道をあれこれ調べていたら、長野県の『蝶ヶ原林道』が筆者の目に留まった。

かれこれ5年前の冬に、Yカメと他誌の仕事で林道ツーリンクに出かけた時のことである。運良く(?)当日から大雪となり、目的としていた林道は閉鎖されていた…。それが『蝶ケ原林道』なのだ。ゲートではなくパイロンだったので、それをどかせば走ることはできた。ジムニーだったら迷うことなくアタックしていたであろう。しかしクルマは借り物で、四駆ではあるもののいわゆるSUV。おまけにスコップどころかチェーンも備えていなかったので潔く諦めた。

その後すっかりと忘れていたのだが、調べたら走行可能となっていた。一度は予定していて走れなかった林道なのだから、再チャレンジしなくては! その時は近くにある『別所温泉』にも日帰り入浴で立ち寄ったが、温泉巡りができるし、趣のある宿が数軒あったのを覚えている。今度は是非とも泊まってみたいので、すぐに計画を練った。東北は夏本番に行ったほうがきっと楽しめるはずだ!

普通の80%は我々の10%

東豊林道は全体的に木々に覆われていて、景色は全く望めない。でも路面状況がコロコロと変わるので走るのは楽しい。

蝶ヶ原林道は三才山峠を越える林道。5km以上のダートを楽しめるが、欲を言えばもう少し距離を走りたい。そこで通行可能な林道を探した結果、上信 越自動車道・長野 IC の西側にある『東豊林道』とそれに繋がっている『御林林道』を選んだ。トータルで20kmに及ぶダートは、今の時代にしたら十二分な距離である。

当日は梅雨入り直後のためか、現地の降水確率は80%となっていた。しかし、普通なら80%であっても、超晴れ男の内田・ 山岡基準だと10%ほどの感覚。ふたりとも雨が降らないことを当然と思い込んでいる。そして案の定、関越道から上信越道に入ると、 時折日が差し込んできたのであった。

まずは長野I Cで下りて『東豊林道』を目指す。入り口まで約5kmとアクセスしやすいのは 嬉しいものである。前日まで(先ほどまで?) 雨が降っていたようで、所々に大きな水溜まりができている。そこで無駄に路面を掘らないよう、4WD にシフトして進むことにした。

路面は固く引き締まったダートかと思えば、固い岩盤、ヌタヌタの土とコロコロと表情を変える。ドライバーとしては走り甲斐を感しる林道だ。鬱蒼とした針葉樹林が続いたが、突然視界が明るくなり、左側に大きな岩肌が現れた。

「ここで写真を撮るわ!」とYカメがJB23から降りてカメラを構える。すると「あれっ? 前にもここで撮影しなかったっけ?」。

筆者は初めて走る道と思い込んでいたが、思い出した! 2年前の夏に『管の沢林』を走った時、この道も2日目に走破していたわ。その時と逆からアプローチしたから気かがつかなかったんだ。そこから一気に記憶が甦ってきた。

コイルの良さを改めて実感

東豊林道は途中から稜線に出て、視界が明るくなる。左右が谷となっている箇所もあるが、眺望は悪い。

「確か景色はほとんど望めないんだよな〜」。

「この先の路面は凸凹がひどかったんだよな〜」。

「草木に覆われてスクラッチもたくさんついたよな〜。まぁのんひびりと走るか!」。

記憶だと廃道のような道だったはずだが、とても快適に走っている。前回は寝不足の上に揺られすぎたために助手席に座るYカメが不調になり、やたらと機嫌が悪かったことも思い出した。

景色が楽しめないのでドライブを楽しんでいたら「運転が粗い! もっとエンブレを効かせて大人しく走れ! この下手クソ!」と思い切り野次られたから、しっかりと覚えている。確かに運転している筆者自身も翌日に体中が痛くなったほど路面状況は悪かった。それなのに、今回は衝撃が少ない。

ロッククライマーの練習場となっている岩場。以前はここでランチタイムを取ったな〜(VOL.15-2参照)

何故だ? 路面が整備された? いや、深い水溜まりがあるし、あまり変わっていないと思うけと…。あっ、分かった! 今回はクルマがJB23だからだ !!

あの時のクルマは、YカメのJA11 。サスペンションは純正ではなくて『やわらちゃんキット』を組んでいたから、ノーマルよりもはるかに快適な乗り心地だった。しかし、やはりコイルリジッドと比べたら凸凹路面での快適さは比較にならない。

ノーマルのJB23なら少しは不満を感じるかも知れないが、このJB23はアピオの『スーパーつよし君 銀八安心キット』を装着している。 JA11だとドライバーが飛び跳ねてルーフに頭をぶつけるほどの凸凹でも何事もなく走り抜ける。十分なストローク量と理想的な減衰力を備えているから非常に快適なのだ。

純正との乗り心地の違いは、体感するのが一番。APIOでは常時試乗車を用意しているので、気になる人は足を運んでみよう! 近くにオフロードステージはないけれど、懐の深さは誰もが実感するハズである。

時折小雨がパラついたものの、本降りに 見舞われることなく15kmものダートを完走。景色が楽しめない分、運転に専念できたから、満足度はとても高い。明日の蝶ヶ原林道も5km超のダートを走れるから、林道走行は十分に満足。別所温泉に向かいながら遅い昼食をとることにした。

東豊林道は鬱蒼しており、かなり野趣的。御林林道と合わせると15kmものダートが楽しめる。