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ジムニーで行く林道旅
VOL.033
~福島県・林道古桧峠線他~ 前編
~福島県・林道古桧峠線他~ 前編

5月中旬を過ぎると、関東以北でも雪が溶けて走れる林道が増えてくる。
だから「走れる内に行かねば!」と、今回は福島県南会津を目指すことに。
実は手持ちの地図には載っていないが、多くの支線がある場所を発見したのだ。
筆者、Yカメともに未踏の林道だけにどんな旅になることやら...?

確実に走れる林道を確保!

「ジムニーで行く林道旅」Vol.0の一枚目の写真を再現。七ヶ岳林道の途中にある、河原に下りられる秘密の場所だ。

「もう雪はごめんだよ!」
ここ3回の内、2回も雪の中を走ったから筆者とYカメの気持ちは珍しく一致していた。初夏を迎えるのだから、是非とも新緑の多い林道を走りたいもの。となると、関東以北を目指すか?

筆者:「帝釈山林道とかどうよ? 宿は檜枝岐温泉があるし、久しぶりに湯西川温泉でもいいしね」
Yカメ:「湯西川温泉か〜。そういえば最近『清盛』に行ってないしな〜」

※本コーナーではまだ紹介していないが、湯西川温泉の『清盛』はYカメが懇意にしている民宿で、筆者とAPIO河野さんもお気に入り。

筆者:「なら決まりか!」
Yカメ:「ちょっと待った〜。実は気になる林道があるんだよ」
筆者:「どこ?」
Yカメ:「3年前だったかな、会津高原の『七ヶ岳林道』を走ったじゃん。その周辺の道路、地図だと舗装路になっているけどもダートが多いんだよ。GoogleEarthで調べたから間違いないと思う。なんだかすごく気になってね」
筆者:「あ〜確かに! 一般的に知られていない林道は魅力的だもんな」

ということで、今回は福島県南会津を走っている『七ヶ岳林道』周辺の林道を探索することに決定! 詳しい情報がないから走れるかも分からないが、『七ヶ岳林道』は確実に走れると調査済み。万が一、そこが走れなくても少し北西に足を伸ばせば『玉川林道』、南西には『黒沢林道』がある。なんとかなるはずだ!

ミニバンを置き去りに!

『スーパーつよし君銀八安心サスペンション』は、キビキビとしたスポーティな走りが魅力。ワインディングでミニバンを置き去りにすることは余裕だ。

今回の足もAPIOコンプリートカー『TS7』だ。サスペンションは、シティユースからフラットダートをターゲットにセッティングされた『スーパーつよし君銀八安心サスペンション』をキットで装着。タイヤはノーマルよりもひとまわり大径のヨコハマ ジオランダーM/T+ 185/85R16を履いた、まさに林道ツーリングに最適な仕様だ。

トランスミッションはMTではなくATなのが個人的には残念だが、吸排気系もAPIO製品でスープアップされているから、ノーマルよりもトルクフルにしてパワフル。これで街中から高速道路、そしてダートまで快適な旅が確保されたワケである。

富貴沢林道との選択で、古桧峠線を選ぶ。この標識が立てられている場所からダートが始まり、その先で広大な景色が目に飛び込んでくる。

1日目は台風一過により、朝から雲ひとつない晴天に恵まれた。まぁ晴れ男の我々にとっては『いつものこと』なのだが、やはり天気が良いと気分も高まる。東北自動道を急ぐことなく北へ向かい、『西那須野塩原IC』で一般道へ下りる。ここから国道400号線でさらに北を目指す。

所々が狭いワインディングとなっており、フツウに流していると後ろからミニバンが勢い良く迫ってきた。道幅が狭い&コーナー続きで安全に譲れる場所がないのにやや煽ってくるから「仕方ないな〜!」と戦闘モードに切り替え。1分足らずでバックミラーから完全に消し去ってやった。APIOジムニーを舐めたらあきまへんで!

福島県に入り、7〜8km走った辺りが林道へのアプローチとなる。国道から左に入って集落を抜けしばらくすると分岐となり、林道名が記された標識が立てられていた。右側が『古桧峠線』で左側が『富貴沢線』だ。

筆者:「どっちにする?」
Yカメ:「右側はその先でいくつかの分岐がある。多分こっちの方がダート距離は長いんじゃないかな?」
筆者:「左は短いの?」
Yカメ:「地図が小さいからよく分からないけど、七ケ岳林道と繋がってるみたい」
七ヶ岳林道は走ったことがあるので、未踏の右側『古桧峠線』を選んだ。どんな林道なのだろう? とても楽しみだ!

期待以上のロケーション!

古桧峠線の標識から100m進むとご覧の景色が広がる。この大きなスケール感は関東や信州では味わえない。

『古桧峠線』は『富貴沢線』との分岐からいきなりダート路面となった。2WDでも難なく走れるが、フロントの駆動部もたまには回さないと可愛そうだし、路面へのローインパクトを心がけて4WDへシフト。木々の中をひたすら走るかと思いきや、いきなり壮大な景色が目に飛び込んできた。

左に開けた景色が広がり、鉄山や黒森山が眺望できるのだ。七ヶ岳林道は半分から南側の景色が全く望めなかったので、周辺の林道も同じだと思っていたから驚いた。標高1,000mほどの低山だが、高さなど関係ない。通い慣れた信州では、決して見ることの出来ない広々とした景色。これが東北の林道ならではの魅力である。スタート早々、筆者、Yカメともに気分が高まった。

しばらくすると木々に囲まれて山々の景色は遮られたが、広葉樹の明るい緑の世界が心を癒やしてくれた。路面はフラットダートで走りやすく、平日ということもあり(休日でも?)我々の他に走るクルマは1台もない。エンジンを止めると聞こえるのは木々のざわめきと、野鳥の鳴き声のみ。

広場があったので、ひと休みすることに。「せっかくだからコーヒーでも湧かすか!」と思いきや、ふたりとも愛用のコーヒーセットを「自分のクルマに積んだままだ…」。仕方なしにコンビニで買った缶コーヒーを飲むが、それでもいつもより美味しく感じる。これまた林道ツーリングならではの魅力だ。

支線を見つけては走り、行き止まりで引き返すを繰り返すこと数回。下りにさしかかったし、昼食時間を超えていたので、一度国道に戻り食事を取ることに。もちろん食事後も再び走るつもりだ!

数カ所で倒木に遭遇したが、いずれも『軽トラ』が抜けられるように処置されていた。これはよくあるこで、もちろんジムニーだから余裕でクリア。