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ジムニーで行く林道旅
VOL.027
~山形県・朝日スーパー林道~ 前編
~山形県・朝日スーパー林道~ 前編

9月中旬、山形県で異なる仕事が2件入った。
そこで「せっかく山形へ行くのなら...」とスケジュールを巧みに調整。
現地の友人に車両レンタルをお願いして林道ツーリングを企画した。
目指すは林道好きなら誰もが憧れるコースのひとつ、かの『朝日スーパー林道』だ!

持つべきは頼れる親友

朝日スーパー林道は県道ということもあり、道幅が広いフラットダートで非常に走りやすい。

筆者は『ログハウス造り』経験があり、『薪ストーブ』に関するノウハウもある程度持っている。そんなことから、尾上会長が掲載されたこともある『薪ストーブライフ』という雑誌の編集に携わっている。そして、9月のとある日に山形県で『薪ストーブライフ』の取材が入った。『ついでに林道ツーリングしたいな…』と思っていたら、幸運にも取材先の近くで別件の仕事が決まったのだ。しかも嬉しい事に、いずれの仕事もスケジュールはっこちらで調整可能。こんな美味しいチャンスを逃すわけなどなく、林道ツーリングを企画した。

Yカメとのスケジュールも調整したのだが、大きな問題がひとつ…『クルマはどうする?』。

JA11・Yカメ号はタービンがヤレたままだし、他にも心配な部分がいくつかあるので、長旅は危険。山奥で走行不能にでもなったら洒落にならん。絶対に避けたいものである。いつもならAPIOの社用車を借りるのだが、スケジュールを絶妙に調整したためにふたりとも取りに行く時間がない…。さてどうしよう? 『あっ! Oちゃんがいる! Oちゃんに借りよう!!』。Oちゃんとは、山形県に住む同い年の親友だ。

筆者:「そっちで林道を走りたいんだけど、ジムニー貸してくれない?」
Oちゃん:「喜んで! JB43とJB23どっちがイイ?」
筆者:「JB43がイイな。ついでに面白いコースを教えてくれない?」
Oちゃん:「いいよ。どんなコースが好み? 廃道系? ダート系?」
筆者:「ビギナーでも安全に走れるルートでよろしく〜」
Oちゃん:「了解! 当日までにいくつか考えておくわ!」

ということで、ジムニーもルートも無事に確定! やはり持つべきは頼れる親友ですな!

気分爽快のフラットダート

先導は現地に住むジムニー乗り・Oちゃんにお任せ。2台体制だから安心して走ることができた。

『朝日スーパー林道』は、新潟県岩船郡朝日村と山形県東田川郡朝日村を結ぶ、全長約52kmに及ぶ長い林道だ。昭和46年7月に着工され昭和58年10月に完成。現在は県道に昇格(県道鶴岡村上線・349号線、県道岩崩村上線・206号線)されたこともあり舗装部分が増えたが、それでも約20km近くのダートを残している。支線も無数にあり、それらを走るとなると1日ではとても回りきれないほど大規模である。

また行政(特に新潟県)は観光スポットのひとつとして力を入れており、村上市のホームページでは通行に関する最新情報を掲載。ビギナーでも安心して走れる、敷居が低いとても魅力的な林道である。

筆者が初めて走ったのは、15、16年ほど前のこと。広大なブナ林、走りやすいフラットダート、そして長い距離に感動したことを今でも鮮明に覚えている。それ以降も数回走っているが、まだまだ一部しか走破していない。そんなこともあり、何度でも走りたい林道のひとつとなっている。親友のOちゃんはどんなルートを選んだのか? 楽しみだ。

今回は小国町側からアプローチ。町中から30〜40分ほど走ったところで、路面がダートに変わった。長い林道走行の始まりだ。ちなみに、このルートは『朝日スーパー林道』の途中から合流する支線。それでも10km近く続いているので、走り甲斐は十分。景色は望めないが、走りやすいフラットダートで、気分良くドライブできる。またブナ林なので、木々に覆われているが視界が明るく、とても爽快。これが林道ツーリングの醍醐味だ。

原生林の美しさに感動!

鈴ケ滝までの遊歩道は原生林の中に造られている。植林されていない、古来から続く風景は息を飲むほど美しい。

『朝日スーパー林道』に合流すると路面状況はさらに良くなった。所々で舗装路になるが、すでに10kmものダートを走っているので、かえって気分転換になる。ところで何処まで行くんだろ?

筆者:「そういえば、今日は何処までいくの?」
Oちゃん:「鈴ケ滝と、その周辺の支線に行く予定。素掘りのトンネルもあるよ」
Yカメ:「それは絵になりそうだね!」
Oちゃん:「林道からの鈴ケ滝もイイ感じだと思いますよ!」
筆者:「楽しみ〜。ちなみにあとどれくらい?」
Oちゃん:「距離的には、今が半分ちょい手前くらいかな?」
筆者:「おおっ! まだ半分来てないんだ!! あれっ? 帰りのルートは?」
Oちゃん:「向こうに抜けられるけど、今来た道を戻るのが一番速く帰れるかな?」
Yカメ:「じゃあ時間次第で考えよう!」
往復でも50km近くのダートを走ることになる。ダートをこんなに走るのはいつ以来だろう?

『鈴ケ滝』へ行くには支線に入る。「路面は多少荒れるかな?」と思ったが、『鈴ケ滝』が観光スポットになっているため、ずっと快適なダートが続いていた。

苦労して見に行った鈴ケ滝だが、その先の林道から眺望することができた。見た目は林道からの方が断然良い。

『滝まで15分』の看板が立っていたので散歩がてら行ったのだが、日頃の運動不足がたたり、ツラいのなんの…。しかしそこに広がる原生林を見て、疲れが吹き飛んだ。ブナの木とシダが作り出す緑一面の空間、そしてそこに太陽の光が射し込む光景は『綺麗』のひと言。どんな素晴らしい腕を持つ芸術家でも絶対に作れない美しさである。これを見られただけでも、今回の旅は十分! と思えるほどの感動だった。

その後に向かったのは『素掘りトンネル』。これまた林道ツーリングならではのスポットだ。悪く言えば『とっても雑』、よく言えば『味わい深い』ほど、壁面の凸凹が強烈。それにしても『よく人力で掘ったもんだ』と、これまた感心。

ちなみに、素掘りトンネルの少し手前で『鈴ケ滝』を上から望める。正直、(苦労して)歩いて見に行った場所よりも、林道から眺める方が数倍良い。

トンネルを抜けてしばらく走ったところが手頃な広場だったのでランチタイム。 コンビニで買ったおにぎりにペットボトルのお茶だが、林道を走った満足感とアウトドアという特別なスパイスが加味されて非常に美味い! やっぱり林道走行はイイな〜と改めて実感したのであった。

撮影スポットとなっている素掘りトンネル。このルートは乗用車だと厳しいだろう。ジムニーならではの特権だ。