1日目は時間と共に天候が悪くなり、夜はもの凄い悪天候に襲われた。
そして翌朝外の景色を見てビックリ! なんと一面が銀世界になっているのだ。
我々は子供のようにはしゃぎ、予定外のスノーアタック(ごっこ)をすることに!
当初は昼食後に橋戸林道か贄川橋戸林道を走る予定だったが、雨が強くなってきたので宿へ直行した。この判断が大正解。恐ろしいほどの本降りとなり、強烈な風が吹いてきたのだ。まぁ、それもそのはずで、当日は台風並の低気圧が日本列島に上陸。これから夜半にかけて大荒れになるとか。仕方なしに宿でのんびり過ごすことに…。こたつに入ったら夕食時間まで寝てしまった。
江戸時代の町並みを今に残している奈良井宿には9件の宿がある。その中から我々が選んだのはトップクラスの人気を誇る“いかりや町田民宿”。ご主人や奥さんとの会話が楽しく、また様々な耳寄り情報を教えてくれるのだ。そして料理がすごい。川魚の塩焼き、鯉の旨煮、馬刺し、天ぷら、鍋、ソバ、数種類の小鉢、ご飯、味噌汁、デザートとメニューがとにかく豊富。味付けも抜群なのだが、さすがに完食できなかった…。宿の食事で残したのは人生で2、3回目だ。そして食べ過ぎて動けない…と横になり、気づいたら朝を迎えていた。
窓を開けてビックリ! 辺り一面が銀世界なのだ!! と言っても、積雪量は2〜3センチほど。「スノーアタックだ〜」とはしゃぐ我々は、取りあえずすぐ近くを走る鳥井峠林道を目指した。
林道の路面は真っ白だが、凍結していないのでひと安心。それでも慎重に走らせていると、倒木の多いこと…。昨晩の大雨と強風で折れた木や枝が至るところに転がっているのだ。山岡カメラマンと二人がかりで何とか抜けた難所もあったりで、思いの外時間を浪費してしまった。まぁ、そんなトラブルも林道ツーリングの醍醐味のひとつ。ますます走る気が増してきた。
筆者:「予定は終了したけど、もう少し走りたくない?」
Yカメ:「走りたいね〜」
筆者:「温泉も入りたいし、何処に行く?」
Yカメ:「思い切って開田高原に行くか! そんなに時間は掛からないだろう」
筆者:「林道あったっけ?」
Yカメ:「月夜沢林道なら走れるんじゃない? 温泉は、いわゆる温泉センターだけど1軒知ってるよ」
筆者:「OK! それで行こう!」
開田高原に来たら「げっ! 予想以上に積雪が多い!!」。それでも7〜8センチほどだし、ワダチはなし。「バージンスノーだ〜。白銀の世界を独占だ〜」と喜んだのもつかの間。「あれっ? もしかしてそろそろヤバい?」。起点から3kmほど走った所で前進しなくなった…。
Yカメがヤラかしたから、チェーンもスコップも持ち合わせていない。無茶はできないが、「ホントにヤバイいかも?」というギリギリまでのスリルを味わいたいもの(オレ達はMなのか?)。
「とにかく行けるところまで」と前進&後退を繰り返すこと十数回。さすがにデフを擦るような深さとなったのでアタックを中止することに。なんだかんだで20kmのダートを走ったし、予定外のスノーアタックもできた。今回の旅も十分に満足…いやいや温泉が残っているではないか!
向かった温泉は、木曽随一の天然かけ流し温泉として人気の日帰り入浴施設「やまゆり荘」。晴れた日には木曽御嶽山が一望できるのがウリだ。さすがに木曽御嶽山は望めなかったが、代わりに雪見を堪能できたので不満はなし。帰るのがイヤになるほど気持ちの良い温泉であった。