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ジム知る
VOL.005
ジム知る 第5回:アルミホイールとは何か改めて再認識しよう
ジム知る 第5回:アルミホイールとは何か改めて再認識しよう

前回は、ジムニーとマッチングのいいタイヤについて話題を進めましたが、タイヤに必需なのは「ホイール」。クルマのカスタムでは一般的なパーツですが、実は意外と知らないこともあるのではないでしょうか。今回は、改めてホイールの基礎知識について触れていきたいと思います。

文・山崎友貴 
協力・株式会社 共豊コーポレーション

クルマのカスタムパーツの中でもホイールは目玉

ホイールは、タイヤをシャシーに装着する時にマストとなるパーツです。また、路面から受ける衝撃で、タイヤでは吸収しきれないものを緩和させる役割も持っています。


ホイールには様々なデザインがありますが、見た目の良さを演出するだけでなく、ブレーキの作動によって発生する熱を冷却するための、風を送る役割も持っています。


さて、ホイールにはスチールホイールとアルミホイールがあります。その名の通り、鉄製のホイールとアルミ合金製のホイールです。ジムニーシリーズの場合、シエラ(JB74)はJCのみ、ジムニー(JB64)はXCのみアルミホイールで、他のグレードはスチールホイールです。


スチールホイールは鉄材を打ち抜いて造るため、コストが安価な反面、デザイン性に乏しく、重くて強度もそれほどではありません。一方アルミホイールはデザイン上の自由度が高く、しかも軽量、高強度です。ちなみに軽いと、何がいいのでしょうか。


クルマのボディを、ひとさし指と親指でつまんで持ち上げた状態を想像してください。ジムニーは前後リジッドアクスル式なので、コイルスプリングから下の方、つまり車軸とタイヤ&ホイールが下方にぶら下がる状態になると思います。このコイルスプリングにぶら下がるパーツの重量を、「バネ下重量」と言います。


サスペンションの構造物、タイヤ&ホイール、つまりバネ下重量が軽いほど、サスペンションはよく動いて、タイヤの接地性が良くなります。バネ下重量を改善する時、サスペンションの構造部品を変更するのは大変です。そこで、より軽いアルミホイールの装着がカスタムメニューの定番となるわけです。


ただしバネ下重量は、それぞれの車種のサスペンションジオメトリーとも関連しているため、軽量であればいいというわけではありません。ジムニーにはジムニーに適したホイールの重量バランスがあるのです。

アルミホイールには製造法と構造に違うタイプがある

鍛造イメージ

アルミホイールに変える利点は、軽量化だけではありません。いいデザインのホイールを装着することで、ドレスアップ効果も望めます。アルミホイールでデザインを追求できるのは、アルミ合金を使用する製造方法ゆえです。


アルミホイールの作り方は、下記の3つに大別できます。


[ 鋳 造 ]
熱して溶かしたアルミ合金を金型に流し込み、成型する方法です。型に流し込むためデザインの自由度が高く、複雑な形状のホイールも製造が可能です。アルミホイールの製造方法として最もポピュラーで、比較的リーズナブルな価格を実現できます。


[ フローフォーミング / MAT製法 ]
鋳造したホイールの原型を回転させ、ローラーで熱間鍛圧(スピニング)加工する製造方法です。ホイール全体の軽量化と高強度を両立でき、デザインの自由度を活かせるのが特徴です。ひと言で言えば、鋳造ホイールよりも軽くて強いホイールができます。
※詳しくは巻末へ


[ 鍛 造 ]
アルミ合金に強い圧力をかけて成型します。金属の分子が均一化するので、強度がアップ。薄く強いホイールを造ることができます。そのため、モータースポーツ用ホイールは鍛造がほとんどです。デザイン面では、鋳造ほど複雑な造形にできないと言われてきましたが、最近の削り出し技術で繊細な形状も可能になっています。

一般的に、鋳造は安いホイール、鍛造は高性能で高額というイメージを持った人が多いようですが、昨今は鋳造の製造技術の向上もあって、一概にそのようには言えなくなってきています。鋳造でも軽くて高強度のホイールはありますし、用途によってはやはり鍛造の方がいいケースもあるということです。

3ピースホイールの構造

さて、ホイールには製造方法だけでなく、構造による違いもあります。皆さんは「1ピース」だとか「3ピース」だとか聞いたことがあると思いますが、具体的には次のような違いがあります。


[ 1ピース ]
ディスクからリムまで一体でできているホイール。デザインの自由度が高く、軽量、高剛性という性能を備えることができます。最も一般的です。


[ 2ピース ]
ディスクとリムを別々に製造してから組み合わせるホイール。組み合わせる位置を変えることで、インセット(ホイールの幅の中心線から取り付け面までの距離のこと)を1㎜単位で設定することができます。


[ 3ピース ]
ディスクとアウターリム、インナーリムの3つのパーツを組み合わせてできたホイール。組み付けはピアスボルトによって行います。違う素材・製法のパーツを組み合わせることができ、ひとつが損傷した時などは交換が可能です。一見すると3ピースに見える1ピースホイールもあります。


ちなみに、1ピースからパーツが増えていくほど高額となり、またデリケートなホイールになって傾向があります。

6つのカタチから選べるアピオのジムニー用ホイール

実際にJB64&JB74にホイールを選ぶ時、考えなければいけないのは車両とのマッチング、そしてタイヤとのマッチングです。まずJB64の場合は、5.5J ×16をチョイスするのが一般的ですが、5.5Jの場合は20㎜か22㎜のインセットがスタンダードとなっています。ちなみにアピオのJB64用ホイールは5.5J×16 +20㎜のワンサイズ設定となっています。推奨タイヤサイズについては、前回の記事をご参照ください。


一方、JB74用の場合、タイヤサイズをどうするかで、ホイールのサイズが変わってきます。ここでは、アピオがリリースしているJB74適合サイズのホイールを例にとって、タイヤとのマッチングを紹介します(ノーマルフェンダーの場合)。


まず、6J×15 −5㎜のホイールの場合は215/75R15か235/75R15のタイヤ、6J×16 +0の場合は225/75R16か235/70R16、5.5J×16 −5㎜では205R16と組み合わせることをアピオでは勧めています。一部のモデルのタイヤについては、これに当てはまらないことがあるので、アピオプロショップにご相談ください。


さて、アピオでは6モデルの現行型ジムニーシリーズ適合ホイールをリリースしています。ホイールの履き替えを検討している方は、ぜひチェックしてみてください。

WILDBOAR SR

カラー:アイアンブラック

WILDBOAR SR


オーセンティックなデザインが魅力の鋳造ホイール。LJやSJといったオールドジムニーが標準装着していたスチールホイール、いわゆる鉄チンホイールのデザインを再現。原点回帰を謳った現行型ジムニーにシリーズとの愛称が抜群です。15インチの「SR-15」、16インチの「SR-16」が用意されています。色は3色(JB74用の16インチは1色)

WILDBOAR SR+

カラー:コットンホワイト

WILDBOAR SR+


基本的なデザインは「SR」と同じですが、ハブとナットの周辺に繊細な膨らみを付けることで、さらにスチールホイールのような雰囲気を再現しています。コットンホワイト以降、カラーが追加予定。

WILDBOAR X

カラー:レイドブラック

WILDBOAR X


アピオを代表する鋳造ホイール。アピオオリジナルのアローシェイプ5本スポークデザインは、ジムニーカスタムの世界では定番となっています。ブレーキ放熱性や排土性にも優れており、オフロード走行をするユーザーにもオススメです。色は2色。

WILDBOAR X2

カラー:レイドブラック

WILDBOAR X2


WILDBOAR X2 はスポーク1本1本がよりエッジの効いたデザインへと進化しメリハリのあるスタイリングです。
新設定となるシエラ専用サイズの "6Jx16 inset0" モデルはコンケイブデザインが特徴的です。カラーはレイドブラック1色。

WILDBOAR Ventura(ヴェンチュラ)

カラー:ブライトクローム

WILDBOAR Venture


SRの持つオーセンティックなデザインをさらに昇華させた鋳造ホイール。ジムニーの北米輸出モデル「サムライ」が西海岸を走り回っていた時代をイメージしています。色は3色。

WILDBOAR Z

カラー:レイドブラック

WILDBOAR Z


鋳造ホイールながらエンケイのMAT製法(フローフォーミング)を使うことで、軽量と高強度を両立。伸びやかでありながら繊細なデザインは、様々なテイストのカスタムジムニーにマッチします。




(※商品の詳細につきましては、商品名をクリックして各商品ページをご参照ください)




アルミホイールはタイヤと共に、愛車の見た目のイメージを変えてくれるのと同時に、走行性能や乗り味にも影響する重要なパーツです。ホイールによっては品質や性能を証明する「JWL」「JWL-T」規格条件をクリアしていないホイールが存在しますので、サイズと共にそこもチェックしたいところです。

鋳造したホイールの原型を回転させ、ローラーで熱間鍛圧(スピニング)加工する製造方法
ホイール全体の軽量化と高強度を両立でき、デザインの自由度を活かせるのが特徴