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山下晃和のアピオジムニー旅暮らし
VOL.032
涼をとるための器探しの旅へ
涼をとるための器探しの旅へ

ヘアーサロンと器やさんとセットになったスターレットというお店の前にて。アピオジムニーも似合っています。



ア・ジ・旅
海外サイクリスト兼モデル 山下晃和のピオムニー暮らし

涼をとるための器探しの旅へ

佐野サービスエリアで一休み。首都高速道路が、事故で渋滞していたので、疲労困憊の顔をした山下。

ジムニーに乗っていると、ついついアウトドアな旅をしたくなりますが、アクティブに動かない癒しの旅をしたい、という衝動にかられるときもあります。ごくたまにですが。

小、中学生のときは、体育よりも、図工などのほうが得意で、大学も外国語学部専攻なので、わりとインドア派で、本来はおとなしくしているほうが性に合っているのかもしれません。

今回は、本格的な夏に向けて和菓子を楽しむための「器」を探す旅に出かけました。車のキーを回すと、ヨシムラマフラーの深いサウンドがジムニーの車体全体に響き渡ります。カーラジオをFMにして、81.3に合わせて、音を上げます。エンジンが温まったら、いざ出発です。

益子にある参考館。入館料800円。趣のある和の建物に感動しました。雰囲気が抜群にいいです。

「器」に関しては、知識がそれほどあるわけではなく、素人ですが、単純に自分が好きなデザインか、そうでないかといった感覚で選んでいるようです。

じつは、器を眺めるのも好き。

かつて自転車で海外を放浪したときも、タイのバーンチェン遺跡というところで土器の美術館に行き、東南アジア独自の文明を見に行ったこともあります。ここは知られざる世界遺産スポットで、日本人で訪れる人は少ないでしょう。また、台湾には二度、故宮博物館に赴き、展示している器を見に行きました。

さらに、バングラデシュでは、底が銅製、本体がステンレス製のカレーポットを探しに探して、ミルプール通りに位置するニュー・マーケットというところでようやく発見して、交渉し、合計8つくらい買って帰りました。ウズベキスタンでも皿を探すために、市場に行きましたね、思い返すと、海外の歴史、文化や暮らし、食の魅せ方などの息吹を宿した器には独特の光が放っているように思います。

日本ではどこが一番いいのか、考えに考えた結果、栃木県益子町にアピオジムニーを走らせることにしました。天気はやや曇っていましたが、雨粒までは落ちて来ず。今年は、、4月に比べると、梅雨に入った割にはそれほど雨が多くありませんね、関東は。モデルの仕事のときはロケ順延にならず、うれしいのですが。


東北自動車道で北上し、およそ2時間、栃木へと入りました。首都から遠ざかり、街からのどかな田園風景にだんだんと変わるところは全世界共通で、ワクワク感が募ります。
細くなる国道に対しても、未舗装路で広い駐車場も、ここぞとばかりキビキビ動くステアリングがアピオジムニーTS7の良いところです。あっという間に、益子町の中心街へ。「益子焼」と書いてある看板や、「そば屋」さんの看板が増えてきて、アクセルを戻し、ゆっくりと通って、お店を吟味します。

益子焼きが有名になる前に、窯元が作られた益子参考館というところに行き、歴史のある器や海外の器などを眺め、隣にある喫茶店で、益子焼に入った美味しいコーヒーを飲みました。時おり、野良猫が入って来て、展示してある家財に乗ったり下りたり。ほほえましい光景です。窓の外の、白い空を眺めながら、雨が降らないといいなあとぼんやりしました。

左:喫茶室で、コーヒーブレイク。 
右:こちらが益子焼に入ったコーヒー。おやつにビスケットが付きました。どちらも美味!

昔のジムニーは運転席が狭いイメージだったのですが、現行のジムニーは、身長182センチの僕が座っても全く狭く感じません。

近くにある器のお店を数件見てまった後、小腹が空いたので、地元でも人気の蕎麦屋さんを調べ、アツアツのカモソバに舌鼓を打ち、持ってきた雑誌を見て、のんびりと工房やショップを調べます。範囲はそれほど広くないのですが、歩いて回るには時間がかかるので、マイカー移動が最適です。

再びジムニーを走らせ、良さそうなお店に入っては、お店の方にあれこれ聞きながら、どのように使うお皿かを想像します。手に取ってみると、その重さ、厚さ、色、雰囲気などがどれも一点一点違うことに感動しました。益子焼は、ぼってりとしていて分厚く、重厚感があるのが特徴で、益子の土の長所を生かしてこのカタチになっているとのこと。
とはいえ、値段もそれなりにするので、妥協はできず。なかなかいい器に出会えずじまいか、なんてやきもきしてきましたが、林の中に突如現る石川若彦さんの工房STUDIO WAKAで、美しい器と出会い、購入しました。
益子焼きというジャンルではないのだそうですが、白い器が特徴で、一つ一つ丁寧に作り上げているといった印象でした。僕が手に取ったものは、緑色でしたが。(無類の緑好きなのです)

石川さんは45rpmという藍染、インディゴなどを得意とするアパレルブランドのカタログモデルを務めたこともあるそうで、本業がモデルの僕でも惚れ惚れする立ち姿でした。
写真は、人間の生き様まで映し出しますね。

左:薪が積んであるSTUDIO WAKAの工房の庭。ワンちゃんも居ました。 
右:駐車場の目の前がお店兼ギャラリー。展示会前で品数が少ないそう。その辺は電話で確認を。

別のお店でジムニーと記念撮影。ここでもまた器のギャラリーと併設している喫茶店でコーヒーが飲めました。

自宅に帰って、早速、和菓子を入れて、食べてみると、湿度の高い部屋でありながら、すーぅと口の中から涼しくなるような感覚に浸ることができました。