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12.09.11

【尾上レポート】ラリモンゴリア2012でアピオxヨシムラマフラーの強度&パワーを実証!

TEAM APIOドライバー 尾上 茂(アピオ会長)のRALLY MONGOLIA 2012レポート!

ラリモンゴリア2012でアピオxヨシムラマフラーの強度&パワーを実証!

本年春先、パリダカの鉄人といわれる菅原さんから「ヨシムラさんを紹介するよ・・」と話があった。ヨシムラブランドは2輪業界では有名なようだが4輪業界ではあまり話題にはならなかったのが事実。
さっそくどんな会社なんだろう・・?と本社を訪ねた・・。製品作りから技術担当者さんをはじめ、勿論ヨシムラ社長さんも加わりディスカッション。俺の直感・・!「ヨシムラとアピオが一緒に組んでジムニーのマフラーを作れば素晴らしく面白い製品が出来る」であった。

話がトントン拍子で進み早速開発が始まった、しかしヨシムラではジムニー用は初めてと言う事でマフラー開発に当りJB23を1台開発用に預けた。試作品を作ってはAPIOに持ち込みダイノパック・パワーテスターで馬力やトルクの計測、勿論音量もだ・・。
その甲斐あって6月には量産試作が遂に完成。

しかし実際のフィーリングや強度がハードな走りをするジムニーに持ちこたえられるか・・? そんな問題が・・。
そこで「モンゴルラリーに装着し耐久テストをしよう」となった訳だ。
6月半ば四国松山でラリーの車検、その松山において特に2輪ライダーさんから「ジムニーにヨシムラマフラーですか・・・信じられない・・!」であった。ヨシムラブランドって2輪業界では特別憧れのブランドであるようだ。そしてモンゴルに向けての船積み。いや~けっこう忙しかったな~・・。

8月12日 走行距離約4000kmのモンゴルラリーがスタート。
初日の約400kmは一応舗装道路、一応と書いたがこれが砂利道よりもはるかに悪路。 
首都ウランバートル市内であっても道路の排水溝は無い、雨が降れば道路の低い場所はプールになってしまう、これにはビックリ・・!
モンゴルでの舗装工事はとっても簡単、その辺の山から土をダンプカーで運び平地に2mほど積み上げ平らに固め、その上にいきなり5cm厚位のアスファルトを引き、ローラーで固めるだけ。地盤をしっかり固めないから1年もしないうちに穴ぼこだらけになる。結果乗用車では走りつらい・・で道路脇の砂利道を走るほうがまだ車が壊れない・・。
その悪路の影響か・・、路肩にはタイヤやサスペンション周りが壊れたり、外れたりしてひっくり返っている車が何と多いことか・・・でも意外と死亡とか怪我人が出ないようだ・・どうしてかな~?

その舗装路が終わってから広大な原野に入る、特に今年は大雨の影響もありハードなラリーとなった。

ラリーが始まると俺のジムニーは殆んどアクセル全開走行と言ってもよいくらいになる。
自分では気が付かないが、CPのオフィシャルさんやRCPで順番待ちをしているエントラントさん達から「イイ音してますね~・・遠くの方からまるでF1の音が聞こえて来るようだ・・」なんてお褒めの言葉を頂いた・・。モンゴルってけっこう山が多いんだ、その谷間にこだましてアクセル全開のジムニーがギヤシフトするたびにまるで音楽のように聞こえる。実はこのマフラー極力綺麗なサウンドになるよう材料や構造に気を使って設計した、2重のテールパイプの下側にはトーンホールと言われる管楽器のアイデアから頂いた穴がある、これらが音質をクリアーにする秘密でもある。正にその甲斐があったと嬉しく思う。

今回最大のアクシデント発生・・。
ラリー中盤に入ったころ我々は幅6km長さ15kmもある大きな湿地帯に突入してしまった、過去にこの場所は走ったことがあるが、60年ぶりと言われるまさかの泥沼にはいり込んでしまった。
ここではいくらエンジンパワーがあっても、その勝ち負けはタイヤの選定が大であった。
今回215-15ATタイヤを選んだ俺は、185-16MTタイヤを履いた菅原号に完全にやられた。

またスタートダッシュや上り坂では軽量化を最大の武器とした菅原号に少しずつ距離を離されたが、連続コーナーや平坦路では速度が乗ってこちらが速い。2箇所のRCPでは接戦の末見事にスピードで勝った・・。こんな時どうしてかオフィシャルヘリコプターで移動したカメラマンがその模様がしっかり撮影しスチルや動画に残してくれている。(ラッキー・・!)
それにしても菅原号ジムニーJB23、俺のマシンと同じなんだが軽量化ですごく早い。反面こちらは今回のアピオ・ヨシムラマフラーのお陰でずい分助けられた。
ジムニーJB23のエンジンは4000回転あたりで一度フラットになりその後大きくアップする傾向だ、その4000rpm当りからが気持ちよく回る、そして最大馬力も強力になった、この効果が大きく寄与したのではないかと思う。
ゾーモッドの休息日、マシン各部をしっかりチェック。何処かの岩場でヒットしたのかマフラーパイプの中間部分にかなり大きな衝撃による凹みを発見、ラバーマウントの1箇所が外れているではないか、純正やステンレス製であれば自重で全体が落ちてしまった所だろうが、軽量なチタンであったため幸いにも落ちなくて済んだ。

後半の大きな川渡りで菅原号は勢いあまって水没した、我がジムニーはその横を上手くすり抜けることが出来た。勿論マフラーテールパイプは水中に完全に潜ってしまったが完璧にこなしてくれた。

帰国後これらの話をすると、そんな事もあろうかと既に量産品にはその対策としてマウントラバー外れ防止装置を取り付け、国の検査も受け車検対応の認識番号も取得したとの事。  

いや~なかなかやるね~・・。

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