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ジムニーで行く林道旅
VOL.030
~群馬県・林道潜下線他~ 前編
~群馬県・林道潜下線他~ 前編

前回は雪を避けて、伊豆半島を訪れたが今回はその逆、敢えて雪景色を楽しむことに!
とは言え、1台だけでのハードなスノーアタックは無謀行為。
かる〜いスノードライブと、温泉からの雪景色が楽しむことを目的とした。
目的地は短いけど無数の林道が走っている、群馬県の赤城山だ。

雪景色&雪見温泉でOKとしよう!

時期的にも雪を載せたかったので、今回はスノードライブを計画した。

筆者:「考えたら、この企画で本格的なスノーアタックはしていないね。河野さん誘ってやってみようか?」
Yカメ:「イイね〜。さらにもう1台あれば安心してアタックできるね!」
筆者:「久々にスノーキャンプもやっちゃうか!」
Yカメ:「楽しみだけど…、河野さん最近忙しいから行けるかな?」

思っていた通り、河野さんを誘ってはみたものの、取材や打ち合わせ、イベントなど多忙でスケジュールが合わず…。そこで今回の旅は、スノーアタックの代わりに『スノードライブ』を楽しむことにした。

お題は簡単に決まったが、問題は行き先である。積雪地域だとほぼ100%ゲートで閉鎖されている。雪が積もっていれば舗装路でも構わないとは言え、もし雪がなかったら企画が成立しない。ダート路面で積雪があって、ゲート閉鎖されていない林道…これは難題だ! いつも以上にハードルを上げてしまった。

そこでお題を少しばかり下方修正して『少しでも雪道を走る』、『背景に雪景色がある』、『温泉から雪景色が見られる』のどれかを達成できれば善しとすることに。そこで候補に上がったのが、『赤城山周辺の林道』だ。愛用している地図だと2本しか載っていないのだが、ネットで検索したら多くの支線が走っていることが判明。雪は期待できないかも知れないが、谷川岳などを背景に良い写真が撮れるかも! 念のために地図に掲載されている2本の林道が走れるかどうかを役所に問い合わせてみると、問題なく走れることがわかった。これで林道は決まり! 温泉は林道のすぐ近くにある『赤城温泉』で、評判の高い宿を見つけたのでそこに決定 !! 当日までに雪が降ってくれれば、いい旅となりそうだ。

雲ひとつない青空に雪を断念…

林道潜下線の起点。この時点ではご覧のように積雪はごくわずかな状態で、スノードライブは諦めていた。

出発当日の朝、雲ひとつない青空が広がっていた。『思っていた通りだ…』と言うのも、我々ふたりは『晴れ男』だから。それも普通ではない。予報で降水確率80%でも現地に着いたら晴れたり、撮影終了と同時に大雨(冬場は大雪)が降ってきたなんてことが多々あるのだ。

まぁ筆者の場合、プライベートで出かける時は雨ばかりの『雨男』になってしまうのだが…。それはさておき、まぁ、雨が降るよりも晴れの方がイイに決まっている。『背景に雪山が入ればOK』 の心構えで旅立つことに。旅の足はAPIOのコンプリートカー『TS7』だ。走行距離16万kmを超えたYカメのJA11はトラブルが怖いので今回も留守番である。

ある地点から急に積雪が増え、一面が銀世界に! これは何とも嬉しい誤算であった。

見事な青空の下、関越自動車道を走り北西に向かう。タイヤはジオランター M/T+なので、積雪に備えて金属チェーンとスコップを積んで出発。降雪は期待できないものの、雪の上を走る気は満々だ!

今回走る予定の林道は 、『赤城山』の西に位置する『鈴ケ岳』の北部を通っている2本のルート。1本は『林道潜下線』で、もう1本は名前が記載されていない。その2本は支線で繋がっており、さらに多くの支線が迷路のように通っているらしい。役所で走れると確認したものの、突然の崖崩れや倒木などで走れなかった場合は、赤城山の南東にある不動滝周辺のルート(手持ちの地図には載っていないのでやや不安)をアタックする予定だ。

天気を味方にする驚異の晴れ男!

凸凹の激しい支線が多かった。この程度はまだまだ序の口。雪で路面状況が分からないので慎重に走らせる。

赤城PA内のETC専用出口から一般道に降りて『林道潜下線』に向かう。どこにも残雪はなく『やっぱり雪はダメかだな…』と 完全に諦めモードに突入。しかし、『林道潜下線』の起点に近づくと道端にチラホラを残雪か! しかも前に進む(標高を上げる)ほどに多くなってきたのだ。

そして起点を越えてしばらく走り、右コーナーを曲がると目の前に白銀の世界が広がった。深さは5cmほどだからスタックの可能性はほぼゼロ%だし、希望していた通りの写真が撮れる! 思い切り気分が盛り上がってきたぞ!!

積雪は高度を稼ぐほどに深さを増し、いつの間にか天候が急変して、雪が舞い始めた。いや、舞うなんて優しいものではない。粒こそ小さいが、かなりの勢で雪が降り出したのだ。まさに願ったり叶ったり。晴れ男を極めると天候を支配できるのか !? とにかく非常に嬉しい誤算である。

起点からしばらくはフラットダートが続いたが、とある支線に入ったら凸凹のオンパレード。ライン取りを間違えればスタックは必至の難所がいくつもあり 、『すっげ〜楽しい !!』とドライバーを務める筆者はますますヒートアップした。

さすがに限界か…と思いきや、この状態から50m近くも進めた。バージンスノーを攻めるのは、何とも言えない快感だ!

別の支線ではしっかりとしたワダチが付いていたので、『ここも走れる!』と何の心配もせずに進入。しばらくする道幅が狭まり、そこから先はワダチがなくなっていた。10cm以上の積雪のため路面状況が分からないが、取りあえず進んでみることに。すると先に進むにつれて凸凹が厳しくなり、またヤブが濃くなっていた。念のために歩いて確認しに行ったら、雪の下はヌタヌタ状態。途中から下りになっていたが、もしその先が行き止まりだったら、果たして無事に戻って来られるだろうか? 確信が持てなかったので、潔く引き返すことにした。

さらに別の支線をアタックしたら、今度は深さ10cmを超えるバージンスノーの世界が出現。調子に乗ってスタックしないよう、自制心を思い切り働かせながらアクセル全開で突き進む。『う〜ん、快感!』。これはスノードライブてではなく、完全にスノーアタックだ。とりあえず進める所まで走ろうと、勢い任せでJB23を走らせる。

積雪がデフを擦りそうで擦らない絶妙な深さのため、JB23はスルスルと進んでいく。そして予想以上の距離を走った所で遂にスタック。十分に満足したので、迷うことなく撤退することにした。『いや〜楽しかったな〜』。

筆者がお気に入りとしている地図や20年以上も前に購入した数冊の『林道雑誌』には何故か赤城山近辺の林道情報がほとんど記載されていない。そのため赤城山の林道を走ることはほとんどなかったため、こんなにも楽しい支線がたくさんあるとは知らなかった。今度は雪のない季節に来たいものである。

潜下線は全体的に走りやすい林道だ。支線も多く、かなりの時間を楽しむことができる。