JIMNY LIFE ジムニーをとことん楽しむ僕らのライフスタイルマガジン JIMNY LIFE ジムニーをとことん楽しむ僕らのライフスタイルマガジン

CATEGORY MENU

ジムニーで行く林道旅
VOL.029
~静岡県・土肥中央林道他~ 前編
~静岡県・土肥中央林道他~ 前編

いつもは予定日のギリギリまで行き先を考えるが、今回の旅は早々に決まっていた。
冬場でも雪の心配がほとんどない、静岡県の伊豆半島だ。
Vol.22で『滑沢林道』と『大鍋林道』を訪れた際、候補に挙げた林道。
積雪時に備えて敢えて残して置いた、いわゆる隠し球である。

Yカメがやる気満々 !?

西伊豆は小さな漁港が点在。漁師が経営する民宿が多いため、リーズナブルな価格で新鮮な海の幸を堪能できるのだ。

筆者とYカメは共に血液がO型のためか、とにかく楽的的な性格をしている。旅に慣れていることと急な仕事が入ることもあり、この『ジムニーで行く林道旅』も突然決まることがほとんど。午前中に「明日行くか!」と話し合ってから林道を探して宿を手配することも少なくない。我々の辞書に『計画性』などという単語は載っていないのだ。特に筆者は人生そのものが無計画だから(それが独身の理由か?)仕方のないことである。そんな話はさておき、前回の旅が終わってすぐに『次は伊豆にしよう!』と決めていた。

目的とする林道は西伊豆を走っている『土肥中央林道』と『林道上池線』の2本。同じルート上で繋がっており、合計で約11kmのダートランを楽しむことができる。距離は十分だし、晴れていればかなりの景観が望めるという。まぁ我々ふたりは驚異的な晴れ男なので、天気の心配は無用。
あとは宿と日程を決めるだけだが、筆者が多忙な時期だったため、Yカメに一任した。伊豆はYカメが好きでよく訪れる地域だけに様々な情報を持っており、すぐに理想的なプランを練ってくれた。

旅の思い出を大きく左右する宿は評判の高い民宿を手配。Vol.22でも述べたが西伊豆の民宿にハズレはない。どこでも新鮮かつ豪華な海鮮料理をお腹イッパイ食べられるのだ。そんな中からYカメが選んだのは土肥温泉にある『松屋』。海鮮料理はもちろんのこと『サザエの釜飯』に惹かれたという。食べたことはないが、絶対に美味いだろう。今回の旅も楽しくなること間違いなしだ!

伊豆が一段と身近になった!

岩肌に注目! 表面は凍っていて、その氷と岩の間に溶けた水が流れているのだ。滅多に見られない自然の芸術だ。

林道までのルートは東名自動車道・沼津ICで下り、伊豆中央道と修善寺道路を乗り継いで修善寺に向かう。国道136号線で南下&西へ走らせ、土肥峠を少し過ぎた所がアプローチポイントとなっている。

東京からだと大した距離ではないが、伊豆中央道と修善寺道路がなかった時代は渋滞に巻き込まれてやたらと時間が掛かったもの。筆者も学生時代から伊豆は頻繁に訪れたが、とにかく『近くて遠い場所』であった。それが今や有料道路が沼津ICから修善寺まで開通したため本当に身近な存在になり、嬉しい限りである。旅の話に戻ろう。

先に走るのは『土肥中央林道』。国道136号線と繋がっており、4km弱ほど舗装路が続く。その後約1kmずつダートと舗装路を走ると3.5kmほどのダートに切り替わる。木々の葉が枯れ落ちて殺風景な風景だが、天気に恵まれたためとても清々しい。閑散とした中しばらく進むとYカメが動き出した。

所々に鋭利な落石が転がっている。タイヤのサイドウォールを傷付けないよう慎重に進む。

Yカメ:あっ、 ちょっと停めて!
筆者:何か動物でもいた?
Yカメ:動物じゃなくて氷!
筆者:氷って、氷?

ほとんど雪の降らない地域だが、さすがに冬場の気温はマイナスとなる。林道に入る前、県道に備えられていた温度計は『2度』を示していた。山の中、それも陽が当たらない北側斜面だから、気温は間違いなくマイナスだろう。山肌から流れ出す水が木々に掛かり、それが凍っていたのだ。まさに自然が造りだした芸術品でとても美しく、Yカメは『やる気モード』に突入。しばしの撮影タイムとなった。

やっぱ伊豆の林道は魅力的

陽の当たらない北側斜面は路面も凍結したまま。当日は風が強くて、とにかく寒かった。

『土肥中央林道』の路面は全般的にフラットダート。走りやすいが路面が固く、また所々に鋭利な岩が転がっているので、純正タイヤだとやや心許ない。もし走るのであればタイヤはサイドウールが硬めのATかMTを履きたいものである。我々が乗るJB23・APIO号はジオランダーM/T+を履いているので、全く持って安心だ。

木々が葉を身につけていないため、近くの山々は見えるが展望はイマイチ。氷以外は特に見所はなく3.5kmを走り終えた。そのまま舗装路を1kmほど走ると『林道上池線』に繋がる。こちらは地図に『景観がイイ』と記されているからそれを期待しよう。

『林道上池線』に入ってもしばらくの間は『土肥中央林道』と同じように近くの山々に囲まれていた。路面状況も同じでフラットダートが続く。そして右コーナーを走っていると急に右側の視界が開けてきた。『おおっ、遠くが見えそうだ!』。

伊豆の林道はガードレールが少なく、切り通しの法面もコンクリートで覆われていない。この自然のままが良いのだ。

コーナーを抜けて右側を見ると大きな広場があり、その先には駿河湾が広がっているではないか! 広場の奥まで行くと高台から見下ろす感じで駿河湾が一望できる。すばらしい景観だ以前は林業の作業場だったのか、広大なスペースで休憩するに最適である。コーヒータイムと洒落込むか!

筆者:お湯湧かしてコーヒーを飲もうよ!
Yカメ:イイね〜。あっ…。
筆者:どうした?
Yカメ:先日別仕事で使った時にコーヒー用具をガレージに降ろしたままだ。
筆者:おいおい、コーヒータイムに最適なロケーションだぞ!
Yカメ:まぁまぁ、どうせ寒いから外に長くは居られないし。我慢してくれ。

まぁ確かに良く晴れてはいるが、風が強くて寒い。コーヒーは今度来た時のお楽しみにとっておくか!

今回も平日のためか我々の他に走っているクルマは見かけなかった。独占できて気分は良いが、たまには他の林道好きと出会って情報交換をしたいもんだ。約11kmのダートランが楽しめるこのコース、興味があったら是非とも訪れて頂きたい。ジムニーならノーマルでも(タイヤだけはアフター品が望ましい)不安なく走れるハズだ。

山肌が白いのも伊豆の特長。路面は全行程ほぼフラットダートで走りやすい。