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ジムニーで行く林道旅
VOL.021
~長野県・諏訪箕輪線他~ 前編
~長野県・諏訪箕輪線他~ 前編

2013年12月後半、一年の疲れを取るべく林道ツーリングを計画した。
選んだのは中央高速道路・諏訪インター近くの諏訪箕輪線と金沢峠付近の林道だ。
温泉は諏訪に詳しい知人に教えて貰ったオススメの宿を選択。
万全の計画を立てたのだが、前日の朝にありえない大トラブルが発生...。

Yカメが前代未聞の大ボケをかます!

YカメのJA11が不調なのでAPIOコンプリートカーTSBを拝借。快適な旅が約束されたのだ。

『師走』の言葉通り、年の瀬は何かと忙しい。特に雑誌の編集は例月よりも7〜10日も締め切りが早いため、筆者は3〜4時間睡眠が続き、最後は貫徹して年内の仕事を納めた。帰宅したのは朝の5時半過ぎ。シャワーを浴びる元気もなく、すぐにベッドに潜り込んだ。「今日一日寝れば、明日からツーリングだ! 楽しみだな〜」と考えながら深い眠りの世界へ…。

「なんだか騒がしいな」夢の中で深い眠りを邪魔する様々な音が鳴り続けていた。「うるせ〜な〜。違う夢にしてくれ!」と願ったが、それは夢ではなかった。「んっ? ドアホンが鳴ったのか? 早朝から誰だよ〜。今度鳴らしたら怒鳴り散らすぞ!」。すると今度は携帯が鳴った。表示された名前は『Yカメ』である。

筆者:「なに?」
Yカメ:「やっと起きたか! 何回電話しても出ないし、ドアホンを鳴らしても返事なしだから死んだかと思ったぞ(笑)」
筆者:「だから、なんなんだよ!」
Yカメ:「何って、ツーリングだよ、ツーリング! まだ寝ぼけてるんか?」
筆者:「えっ!」

確か出発は水曜日のハズ…。帰宅したのは火曜日の早朝だから、もしかして25時間も眠り続けていたのか? やっちまったか? いや、ありえない。疲れが全然とれていない。今日は何曜日なんだ?

筆者:「今日は何曜日?」
Yカメ:「何曜日って、火曜日じゃん」
筆者:「おいおい、ツーリングは水曜からだろ!」
数秒の沈黙が流れる。
Yカメ:「あ〜〜〜〜っ! ごめん、オレ1日間違えてたわ〜」
筆者:「んじゃ、明日よろしく〜。おやすみ〜」
やっと眠れる…と思いきや、再びYカメからの電話が鳴った。

筆者:「なに?」
Yカメ:「宿を間違えて予約しちゃってさ〜、今日から行けない?」
筆者:「マジか? オレ一睡もしてないから運転できないぞ!」
Yカメ:「林道まではオレが運転するからさ!」
筆者:「仕方ないな〜」

という嘘のようなトラブルで今回の旅が始まった。

予想外の初雪だから結果オーライ?

諏訪箕輪線のアプローチ地点。すぐ右脇には中央高速道路が走っている。

天気は冬型の気圧配置により晴天が続いていたが、確認すると大寒波が襲来。夜半過ぎから東京でも雪が降るという予報の中、中央高速道路で諏訪インターチェンジを目指す。筆者は助手席に座るとすぐに夢の世界へ突入した。

目を覚ますと民家の庭先のような道を走っていた。そして辺り一面はうっすらとした雪化粧状態。
筆者:「ここどこ? いつから雪になったの?」
Yカメ:「間もなく林道の入り口だよ。山梨県に入ってから雲が厚くなってきて雪は諏訪インターを降りた頃から降り出した。だからついさっきだよ」

後ろを見たら、中央高速道路がすぐそこを走っている。なんて所を走ってるんだ? てか、それにしてもやたらと細くて勾配がキツイ。軽自動車以外は間違いなく走れないだろう。それをナビが指定したのだから恐れ入る。Yカメが所有するポータブルタイプだが、かなり使えるナビである。おかげで迷うことなく入り口に辿り着いた。Yカメと運転を代わり、さぁ林道アタックの開始だ!

目の前にはワダチのない雪路が延びている。さすがに数㎝の積雪ではスノーアタックにならないが、普通のダートを走るより気分が高まるもの。もし当初の予定通りに明日だったら、溶けているか、グチャグチャになっているだろう。Yカメの勘違いが功を奏した!? なんだか悔しいが、まぁ彼のお陰としておくか!

支線が多すぎて迷宮状態

雪は止むことなく降り続き、走っているとフロントグリルに付着して凍り付いた。

さて、今回走る『諏訪箕輪線』だが、その名の通り諏訪と箕輪を繋ぐ道。途中から県道442号線と接続していて(林道の一部が県道442号線という説もあるが詳細は不明)、ダート路面は『U』の字を描くように設定されている。中央高速道路のすぐ脇からアプローチする、トータル8kmほどのミドルコースだ。そこそこ満足のいく距離で、さらに予想外の雪が気分を盛り上げた。

この予想外の出来事こそ、林道ツーリングの醍醐味のひとつ。高速道路の近くを走り、さらに山が低いために眺望はあまり期待できない。目に入るのは草木のみだが、冬だから枯れていて、色目も茶色や黒だけでとにかく殺風景。それが雪によって白銀の世界へと変わっているのだ。雪様々である。

諏訪箕輪線の途中で見かけた『樽尻の瀧』。水量が少ないのは冬場だからか?

そしてもうひとつ予想外だったのが支線の多さ。手持ちの地図帳には支線など1本も記載されていないのだが、数え切れないほどの支線が通っているのだ。しかもその支線がさらに分かれているから、気の向くままに走っていると「ここは何処?」のラビリンス状態。筆者、Yカメともに頭が混乱して位置が把握できなくなった。「まぁ迷ったとしても道は続いている!」と開き直って走ることに…。

支線が多いのは林業が盛んだからで、そのためにやたらと凸凹がきつい場所もあったが、旅の相棒はAPIO最新のコンプリートカーTSB。45㎜アップのコイルスプリング『スーパーつよし君』と『ビルシュタインショックアブソーバー』が装着されているので、オフロードはひたすら快適&余裕! タイヤもジオランダーM/T+だから、マッドでも安心して入って行ける。凸凹が大きくてもまったく問題なし。それどころか逆に「もっと荒れた路面はないかな?」と攻めたくなる。とは言うものの、単独行、さらに雪が降っているので無理は禁物。高まる気持ちを抑えながら支線を走り回った。

突然舗装路になったのでナビで確認すると、周回路の半分地点であった。多くの支線に入ったので、かなりの距離を走ったが「まだ半分もあるのか!」と嬉しくなった。時間もまだ昼食前なので、残りの半分も好きなだけ走ることに決定!

『諏訪箕輪線』は支線が多いから競技を開催したら、かなり楽しめるだろう。どこかの大企業がスポンサーして開催してくれないかな? ジムニー限定のオリエンテーリングも面白いかも! APIOの河野社長にプレゼンしようかな?

白い部分が支線で、同じ場所で繋がってはいない。とにかく支線が複雑に通っている。