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日本再発見ジムニー探検隊
VOL.053
納涼夜景ドライブ[京浜]
納涼夜景ドライブ[京浜]

8月も終わろうとしているは、残暑はまだまだ厳しい。
こんな時は陽が落ちて涼しくなってからドライブするに限る。
というわけで、今回は夕景、夜景が美しいスポットを探して
東京から横浜の湾岸地帯を探検してみた。

画像をクリックすると拡大します(スマホ、タブレット一部機種を除く)。

東京湾の玄関口に立ち並ぶキリン

船に荷物などを積み込むガントリークレーンが並ぶさまは壮観だ。巨大な木馬のように見える。

東京の湾岸地帯の代名詞ともなっているのが、お台場だ。30年ほど前のお台場と言えば、まだ干潟が多く残る風光明媚な場所で、夏の夜はハゼ釣りなどを楽しんだものである。そんなお台場も開発が進み、いまやビジネス街と観光地となってしまった。だがこの辺りは公園整備が進んでおり、晩夏の夕方に行くと実に気持ちがいい風が吹いている。

お台場の公園と言えばお台場海浜公園や潮風公園がメジャーだが、僕がおすすめしたいのは「青海南ふ頭公園」。東京湾岸署のちょうど裏あたりの海沿いにあるのだが、青々とした芝生が広がる気持ちのいい公園だ。目の前は東京湾で、柵沿いに釣りを楽しんでいる人を多く見かける。対岸は品川埠頭あたりだが、巨大な艦船が往き来しており、なかなか楽しい。運が良ければ、護衛艦を目の当たりにすることもある。

さてなぜこの公園がおすすめなのかというと、すぐ横に青海のコンテナ埠頭があり、船に荷物を積み降ろしする木馬のような形のクレーンを見ることができるのだ。最近知ったのだが、このクレーンのことを「ガントリークレーン」というらしい。埠頭の中に入ることはできないが、公園の南端でガントリークレーンが光に照らされる景観は、なかなかファンタスティックだ。

さて東京湾にはもうひとつ注目すべき「木馬」がある。それは東京湾の玄関「東京ゲートブリッジ」。青海南ふ埠公園から南に走り羽田方面に抜けるトンネルをくぐれば、左手に東京ゲートブリッジが見えてくる。2012年に開通した橋で、中央防波堤外側埋め立て地と江東区若洲を結んでいる。全長はなんと2618mもあり、最上部の高さは87.8mというビッグな橋だ。

照明が点灯すると、非常に涼しげな姿に変わる東京ゲートブリッジ。

東京湾の大型艦船が通行できるように、吊り橋や斜長橋ではなくトラス橋が採用されているのだという。木馬が向かい合っているように見える橋は、夜間になるとライトアップされて美しい姿に変わる。このライトアップを担当したのは、レインボーブリッジやベイブリッジ、鶴見つばさ橋といった京浜地区の名だたる橋の照明を手がけた石井幹子氏。

最新の橋だけあって照明にはLEDが使われており、何ともきらびやかだ。橋の流れに沿って点灯する青色LEDが、この季節は涼やかでいい。

東京ゲートブリッジを鑑賞するには、若洲キャンプ場がぴったり。若洲キャンプ場は若洲海浜公園の一角にある施設で、すぐ横に駐車場もある。このキャンプ場の海辺には橋に沿って伸びる海釣り用の堤防が伸びている。また、東京湾の南側方向には護岸が伸びており、水面の近くまで降りることもできる。

キャンプ場もなかなか気持ちがいい場所にあるので、キャンプをしながら東京ゲートブリッジの光を楽しむなんていうのも趣きだ。

空港と航空機の灯が美しい2つの公園

城南島海浜公園の砂浜からは航空機の発着が見られる。夕方からいるのがツウ。

空港というのは、どうして夜がいいのだろうか。やはり青や赤の灯火類が美しいからだろうか。東京ゲートブリッジから羽田方面に走ると、空港手前で城南島という埋め立て地を通る。ここには城南島海浜公園がある。意外と知らない人が多いのだが、この公園ではBBQはもちろんのこと、キャンプもできるキャンプ場があるのだ。

しかもこのキャンプ場、東京湾では非常に珍しい砂浜がある。もちろん人口で造ったものだが、かなり広大な砂浜で「どこに来たんだろう?」と錯覚するちょっと不思議な場所だ。

この砂浜のすぐ対岸が羽田空港で、C滑走路の飛行機の発着が手に取るように見られる。この公園は航空機マニアには有名な場所で、特にアメリカ大統領専用機「エアフォース1」が飛来する時はたくさんの人で溢れている。またかつて「逆噴射機長」で有名になった航空機が眼前に落ちたこともで知られている。

砂浜からは進入灯橋梁が見え、これが夜になると点灯して美しい。もちろん空港の光もだが、頭上をかすめるようにして降りてくる航空機を眺めて夜を過ごすのは何とも楽しい。エアバンドラジオなんて持っていくとさらに盛り上がる。

さて城南島の隣にある京浜島にも、同じく羽田空港に隣接する公園がある。その名も京浜島つばさ公園だ。この公園は非常に古く、僕が10代の頃にはすでにあった。当時は羽田空港も今と違う構造だっただめ、今よりももっと滑走路がよく見渡すことができた。だが、羽田空港を大幅改修した時に高い土手ができてしまい、空港がよく見えなくなってしまったのである。

京浜島つばさ公園のすぐ前に着陸する航空機。航空燃料の匂いがたまらない。

だが、夕刻の着陸ラッシュになるとB滑走路に続々と航空機が降りてきて、数分に1度、真横から着陸を見ることができる。冬は吹きさらしで、とても航空機見物どころじゃないが、秋までは風とジェット燃料の香りが心地よい。

何分古い公園なのでベンチなどもボロい。できればキャンピングチェアと冷えた飲み物を入れたクーラーボックスなどを持って、お気に入りの音楽などを聴きながら空港の雰囲気を楽しむというのがベストだ。少ないが駐車場も完備しているので、長時間公園にいても安心できる。

ちなみに城南島や京浜島はローリング族対策のため、深夜は進入禁止となっている。出られなくなることはないが、パトカーに見つかるとうるさく言われるのでご注意を。

羽田空港の穴場は第2ターミナル展望デッキ

第2ターミナルの5Fにある屋外展望デッキ。上)星屑のステージ、下)虹とオーロラのステージ。

例え旅に出なくとも、空港には不思議な雰囲気が漂っている。いろいろな売店や飲食店が入り、外では航空機が行き交っている。昼でも夜でも炭酸水でも飲みながら、ぼーっとしているだけで十分に楽しいと思うのは僕だけだろうか。

昔の羽田空港は展望デッキが楽しくて、年中ビアガーデンみたいな雰囲気が楽しかった。お洒落な食べ物なんてまったくなく、たこ焼きとかカレーとかいったB級グルメを気取ることなく食べられた。ターミナルビルも低かったので飛行機がとても近く、それがまた楽しかった要因だった気がする。

現在は湾岸線を挟んで第1ターミナルビルと第2ターミナルビルに、そして少し離れた場所に国際線ターミナルビルと分かれているが、それぞれに展望デッキがある。第1ターミナルビルは6階建ての屋上に展望デッキがあるのに対して、第2ターミナルビルは5階に展望デッキある。国際線ターミナルビルも、同じく5階にある。

個人的に展望デッキが楽しいと思う順位を付けるなら、第2ターミナル、国際線ターミナル、第1ターミナルの順。なぜ第2ターミナルがおすすめなのかというと、昔の羽田空港の展望デッキに一番雰囲気が近く、どこかのんびりした雰囲気だから。飛行機が近いという展望デッキ本来の目的を考えても一番優れている。また第1の展望デッキは防護柵の編み目が細かいために視界がうっとうしいのだが、第2はざっくりとワイヤーが張ってあるだけなので、撮影などもしやすい。

星屑のステージから見たエプロン。航空機が近くて、どうにもワクワクしてくる。

第2ターミナルビルは中央のエレベーター&エスカレーターホールを中心に、東側と西側にほぼシンメトリーに建っている。展望デッキは東側が「虹とオーロラのステージ」、西側が「星屑のステージ」という名称が付いている。バブル期のアイドルグループみたいだ。そして中央に屋内展望デッキが設けられている。屋内はエアコンも利いて快適だが、やはり外が気持ちいい。

どうしてこんな名前が付いているかというのは、実は夜にならないと分からない。上の写真を見ていただければおおよそ分かっていただけると思うが、要は名前をイメージしたライティングがされているのだ。ただ虹とオーロラのステージは照明デザイナーのがんばりが少なかったのか、あんまりきれいではない。

一方の星屑のステージはLEDライトがキラキラしていて、なかなか美しい光景が見られる。星屑のステージの前にはハワイアンスタイルのレストランがあり、テラス席が用意されている。ここで食事をしたら、かなりテンションがあがると思う。反対側の展望デッキにもアメリカンスタイルのスタンドがあるが、夜間はやっていない。だがテーブルとシートは自由に使えるので、お金をかけずに楽しみたいという人は虹とオーロラのステージをおすすめしておく。

倉庫の島に見つけたプチリゾート

東扇島東公園の「かわさきの浜」。夜に行くとどこかのプライベートビーチのようだ。

さて羽田空港からは首都高に乗ろう。と言っても、2つめのランプである東扇島で降りるのだが。多摩川を渡れば、ここから川崎市に入る。東扇島なんて釣り人以外、おそらく多くの人が訪れたことがないであろう場所である。なにせ物流倉庫しかない。島に渡るルートも一般道の川崎港海底トンネルか、首都高の2つしかない。

余談だが、70年代にはこの東扇島にリニアモーターカーの実験線があった。まだまだ人が乗車できない頃の話であるが。

さて東扇島には「川崎マリエン」なる不思議な施設がある。市民と川崎港の親交を目的に造られたらしいが、ゲート型の立派な会館だ。BBQ施設やテニスコート、ビーチバレー場などがある。ここの展望台は入場無料で入れて、夜景も美しい。レストランもあるので、食事を楽しみながら…という過ごし方もできる。

でも今回プッシュしたいのは、その近くにある「東扇島東公園」の方だ。名前の通り、東扇島の東端にある公園で、海沿いに人口の浜やデッキウォークが整備されいる。浜やデッキウォーク周辺は夜間になると照明が灯り、いい雰囲気になる。ちょっとしたリゾート地のようだ。

東扇島東公園北側のデッキウォークからの夜景。工場地帯が妖しく輝く。

砂浜からは羽田空港を遠くにのぞむことができ、さらに奥には東京湾横断道路の灯りを見ることができる。砂浜に座って夜景を眺めていると、ここが川崎さということを忘れてしまうほどだ。砂浜でノンアルコールビールを1本…なんて最高である。

北側のデッキウォークからは、扇島や浮島の工場地帯の夜景が一望できる。工場の稼働状態によって灯りの数は変わるようだが、お盆時期に訪れた時でも十分に美しい光景が広がっていた。ここは24時間の駐車場があるので、何時訪れても何の心配もないのがうれしい。

東扇島には西公園というのがあって、こちらも夜景の名所となっている。こちらは古くて東公園ほどいい雰囲気ではないが、生麦方面の工場地帯が灯りが煌々と輝いている。ここも納涼という点では十分にいいスポットだが、やはりオススメは東公園。だまされたと思って、一度行ってみていただきたい。

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