今回探検する能登半島は、日本で最も突出面積が大きい半島だ。日本列島は今から2300万年前〜530万年前の中新世という時代に大陸から切り離されたらしいが、その前の日本海と言えば浅い湖だったと考えられている。能登半島はその時代から、湖に突き出た半島として存在していたようだ。
この地には「能登
はやさしや土までも」という杵歌が伝わっているが、これは直訳すると「能登は土まで優しい」という意味だ。つまり、能登は人も風土も優しいということを意味している。日本の地方には、民度の高さを感じさせる土地が多く残っているが、この能登もまた人に優しく文化レベルが高いと言われる。
ちなみに能登という地名は、アイヌ語で『半島』を意味するノットから来ているという説があれば、石動山にいた方道仙人が話すことができなかった垂仁天皇の皇子を直し、その後天にに登ったことことを伝える『能く登る』から来ている説もある。
能登は海山が非常に美しい場所で、とくにこれからの季節は海沿いでキャンプをするのが最高だ。小さな入り江が多く、かつては不審船や工作員上陸などで騒がれたが、まるでプライベートビーチのような贅沢な趣に溢れている。かつて入り江にある県立のキャンプ場に泊まったことがあったが、あまりに美しいので移動をやめて1週間居着いたくらい快適だった。
さて、能登半島の付け根には加賀の都である金沢がある。ここも見所いっぱいの場所だが、今回は通過して能登半島へ直行することにした。金沢から「のと里山海道」に乗れば、比較的スピーディに半島にアプローチすることができる。このバイパス道路は、かつては能登有料道路と呼ばれて通行料金が取られたのだが、昨年3月から名前を変えて無料化になった。