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17.06.16

アピオジムニーTS ダートトリップ@レッツゴー4WD【vol.2】

雑誌『レッツゴー4WD』とのコラボレーションで掲載中の「ダートトリップ」。
ジムニーで林道をドライブしながら観光スポット、グルメを探す旅の模様をご紹介。
このコーナーでは、その裏話を交えながら違う視点で旅をレポートします。

<写真をクリックすると、拡大とキャプション表示ができます>

諏訪周辺を走る好条件の林道

最初に入った林道東山田線。江戸初期に整備された旧中山道で、その後流通事情の変化により早い時期に別なルートになった。

日本には無数の林道があり、かつてはどの道も比較的自由に走ることができた。ところが80年代に4WDが林道や山を走り回って、環境破壊をしたり道を壊したりと何かと問題が発生。結果的に各林道で四駆の立ち入りが厳しくなってしまったという経緯がある。

まあ僕らも雑誌編集であると同時に四駆ユーザーなので自省しなければならない部分があるのだが、随分窮屈な時代になってしまった。山岡カメラマンは年間何十という林道で取材をしている達人なのだが、その達人をもってしても関東近辺の走れる林道を探すには徐々に難しくなってきている。

だから、実は取材の候補地を探すのに毎度腐心しているのだ。今回はいくつか候補があったのだが、前回静岡からフォサマグナ上の林道を北上したので、その続きの地域を探してみた。結果、白羽の矢が立ったのが長野県の諏訪周辺ということになったのである。

というわけで、今回は「横濱帆布」とのタイアップで生まれたスペシャルなTS7に乗って、中央道を西へと向かった。僕らが「カバン号」と呼んでいるTS7は、高速域でのサスペンションフィーリングを重視してセッティングされたサスペンションが付いている。そのため、高速を使うロングドライブなどにうってつけのジムニーに仕上がっている。

往年のリフトアップ4WDのフィーリングを知っている人の中には、「車高を上げていたらフラフラして高速で恐い想いをするのでは…」と言う方もいらっしゃるかもしれない。でも、TS7は一切そういうことがない。直進安定性や操舵感がカチっとしており、かえってノーマルジムニーよりも快適なのである。

仕事柄、いろいろなショップがチューニングしたジムニーに乗る機会があるが、間違いなくTS7はオンロード&オフロードのバランスが取れたトップレベルのサスペンションを装着している。「アピオのページだから言っているのだろう」と思われても仕方がないが、これはヨイショではなく事実。貴方もぜひ、アピオで試乗をしていただきたい。

林道旅は必ずしも想定通りにはいかない

林道王城垂枝栗線には日本の中心となる場所がある。近くには展望台があり、そこに向かう道は日本アルプスを望める素晴らしい絶景を楽しめる。

取材というのは必ずしも誌面通りに進んでいないもの。例えば、今回最初に入ったのは林道王城垂枝栗線ではなく、上山田線。もちろん事前に下調べはしていくのだが、地図や情報だけでは分からないことが多い。林道の景観というのものそのひとつだ。「絵になる」と思って現場に行ってみたら、杉林ばかりで撮影にひと苦労…なんてことも少なくない。それでも、画にしてしまうのが巨匠の巨匠たる由縁なのだが、あまりパッとしない林道は記事にしない場合もある。

上山田林道はかつて、旧中山道だったところだ。中山道は京都と中部日本、そして江戸を結ぶために徳川幕府が整備した幹線道路だが、初期とそれ以降ではルートが異なる。中山道は人の往来と共に、木曽から杉を江戸に運ぶという流通経路であり、江戸の拡充で杉の需要が増えたため、中山道もルートが変更されたのだという。

この道は現在も地元民の生活道路として活用されているようで、フラットな砂利道で非常に走りやすい。ただ、いかんせん樹林帯を走るために景観が地味なのだ。走行ちながら良さそうな場所で止まり、そして撮影。取材はこれを繰り返していく。

我々も職業なので、一応「押さえ」で撮影しても、あまり誌面で映えない場所は分かってしまう。今回唯一、上山田線の中で見栄えがしたのが二枚目の写真。上の道から下の支線が見える場所で、ダイナミックさを感じる場所だった。

巨匠も一度、自身の中の「画になる場所」スイッチが入ると、時間をかけて撮影をする。寝転んだり、崖を駆け上ったり。ちなみに今回も仕事をしていない時は、ハイチューを食べていた。そして今回は1個だけくれた。

山岡巨匠は寝て甘いものばかり食べていると思っている読者諸兄の少なくないと思うが、仕事に対する姿勢はストイック。寝転んだり、崖を駆け上ったり、ジムニーよりも機動力に優れている。

上山田線はずっと走っていくと岡谷市の方に下りてしまうので、終点から再び峠側に戻り、再度、王城垂枝栗線に入り直す。この2本は非常に近いため、取材する側としてはおいしい林道だ。王城垂枝栗線のハイライトは、地理上で日本の中心と言われるスポットがあることだ。それ以外は、実はほぼアカマツ林の中を突き進む道。こちらもフラットできれいに整備された道だが、景観は地味。

道の片側はずっと虎ロープで立ち入り禁止にされており、これがまた視界の邪魔になっている。なんでこんなロープがあるのかというと、ここは松茸の山らしい。至る所に「入山禁止」の札がぶら下がっている。

だが、日本の中心地付近の景観は素晴らしい。北岳、間ノ岳、甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳、木曽駒ヶ岳など、付近の百名山がドドーンと見える林道なのだ(3枚目写真)。「それはさ〜、山崎が山好きだからじゃないの〜」と巨匠に揶揄されて歯がみしたが、画としてみても実にいいと思う。この景観は本線から展望台までの脇道でしか観られないのだが、わざわざ外れていく価値はあるはずだ。

名所スポットは突然に

王城垂枝栗線の伊那側の出口付近にあった大城山の展望スポット。地元では有名な場所のようだが、我々は偶然に発見した。

旅企画においては、取材する側の運の強さというのも必要だ。天候に恵まれることはもちろんのこと、偶然に好ロケーションに巡り会う強運というのもある。今回で言えば、「大城山」の展望スポットに巡り会えたことだ。

こういうスポットは地元の観光協会のHPなどに掲載されていることが多いのだが、なにせ辰野町という行政区を知らない。林道は岡谷市からスタートしていたので、岡谷市周辺の情報収集をしていたのである。

王城垂枝栗線から辰野町側に下りてくると、先ほど観た「日本の中心地」という看板とは別に「日本の中心地ゼロポイント」という看板が出てきた。酷似しているのだが、何か違う気もする。こういう時に勘働きができるかできないかは、やはり編集者の経験値になってくる。気になったので行ってみると、このような素晴らしいロケーションに巡り会うことができた。

うららかな春の日だったこともあるが、景観が素晴らしく、何だか惚けてしまうような場所だ。きっと夜景も美しいに違いない。夏場にここでテントを張ったら、きっと気持ちのいい夜が過ごせるに違いない。だが、こういう美しい景観を撮影している時は、大抵は二人で誰かをディスっていることがほとんどだ。

誰彼構わず…というわけではなく、アピオファミリーの河野社長、内田エディター、山岡巨匠、そして僕の内輪のディスりなわけだが、最終的には全部僕が言っていることにするところが巨匠の恐ろしさだ。だから、僕はこのコーナーでリベンジしている(笑)。

さて、前回の宿もいいところだったが、今回泊まった宿も素晴らしかった。山岡巨匠は某有名旅行雑誌の仕事もしているため、旅行業界には特別なネットワークを持っている。今回もそのネットワークを使って探したのだが、期待以上にいい宿だった。

泊まったのは薬師平にある「茜宿」という歴史のある温泉宿だ。温泉と言っても鉱泉を湧かしたものなのだが、ロケーションがとにかく素晴らしい。北アルプスを一望できる山の中腹にあり、夜になれば松本の夜景がドドーンと眼下に広がる。

料理も地元の素材をふんだんに使ったものが出る。最近の地方の旅館は料理のレベルが非常に高いのだが、ここも多分に漏れず美味い。「鄕土料理を食べる意味が分からない」という巨匠だが、なぜか旅館のメシは地元の素材が出ないとイヤなようで、そこは理屈を超越している。松本近辺で採れる素材はすべて出たのではないかというくらい、堪能できるメニューだった。

もちろん風呂も素晴らしく、ご覧の露天風呂。入浴していて思うのは、悦楽にあずかれるとは本当に日本人で良かったということだ。ちなみにこの写真は無人だが、実は僕が入っている写真があった。ところがファインダーを覗いている巨匠は、景色ばかりに気を取られていたようで、データをチェックしていたら、全てのカットに僕の◯ン◯が写り込んでいる…。公序良俗の面から全ボツ。次回の撮影からは、オマタに象の牙でも付けて入ることにしよう。

今回のルートは、林道ツーリングに不慣れな人にもオススメできる良コース。ジムニーやSUVの楽しさが味わえると思う。それに加えて、景観スポットも多い。城や鰻、今回紹介できなかった時計やオルゴールのスポットなど、諏訪湖周辺はなかなか奥が深い。これから梅雨に入るので、盛夏になったらぜひ訪れていただきたいコースだ。

<文/山崎友貴 写真/山岡和正 協力/レッツゴー4WD編集部>

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